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スコットランドの蒸留地域は、大きく6つに分けられる。
アイラ、アイランズ、キャンベルタウン、ローランド、ハイランド、スペイサイドである。
地域の環境や歴史から特徴が見えてくる。
●トバモリー
・基礎データ、場所
- 蒸溜所名:トバモリー蒸溜所
- 英字:Tobermory
- 意味:ゲール語で「メアリーの井戸」という意
- 創業:1798年
- 仕込み水:ミシュニシュの湖
- 蒸留器:バルジ型
- 現所有者:ディステル・グループ社
(南アフリカの企業で、ブナハーブン、ディーンストンも所有) - 輸入元:コルドンヴェール(株)
ヘブリディーズ諸島のマル島にある唯一の蒸溜所。
マル島のトバモリーという港町は、かつてはレダイグという村であった。
レダイグはゲール語で「安全な港」という意味。
トバモリー蒸留所では、ノンピートのトバモリーと、
ヘビーピートのレダイグの商品をリリースしている。
両方とも村、町の名前から付けられている。
ウイスキーの他に、ジンも造っている。
・特徴
・味わい
トバモリーは、ノンピートで、ややフレッシュなミントの香りがする。
少しモルティーな味わいがあり、ライトで飲みやすい。
レダイグは、ヘビーピートで、スモーキーさがあり、しっかりしている。
アイラモルトに近い感じがある。
・経緯
トバモリー蒸留所は幾度となくオーナーが代わり、閉鎖と操業を繰り返してきた。
創業は1798年に海運商人のジョン・シンクレアが蒸留所を建設。
15年間の操業の後、1837年から1878年まで閉鎖される。
その後、DCL(ディスティラーズ・カンパニーLtd)の傘下に入るが、1930年代には再び休止してしまう。
休止中には、ブランド名や在庫を売却されたが、1993年にバーン・スチュアート社の傘下に入る。
さらに買収は繰り返され、2013年に現オーナーのディステル社に落ち着く。
2019年には蒸留所の大改修を終えて、生産も安定してきている。
これからはアイランズモルトらしい、マル島の特徴ある製品が期待される。
●あとがき
トバモリー、レダイグともに知名度が低い。
これまではオーナーが転々としていることにより、不安定だったが、
現在は色々な新しいことに挑戦している。
ホームページでは製品ラインナップも充実している。
Tシャツやマスク、塗り絵などもありユニークが、方向性をしっかり持って、頑張ってほしい。