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赤、白、ロゼの色の違いは、果汁とそれ以外を分離するタイミングで決まる。
このようなイメージは正しくない。
ワイン造りの流れは以下のようになる。
●赤ワインのつくり方
赤ワインには、黒ブドウのみが使われる。
発酵の際は果肉と一緒に皮や種も発酵される。
皮や種からは、赤い色素とポリフェノールの一種であるタンニンが抽出される。
- 収穫・選果
収穫した黒ブドウから、葉を取り、傷ついているものは取り除く。 - 破砕・除梗(じょこう)
破砕機で軽く潰して、果梗(ブドウの軸、枝)を取り除く。 - 発酵
果肉と果汁、皮、種を一緒に漬け込む(マセラシオン)。
酵母を加えて、1~3週間かけて発酵させる。 - 圧搾
発酵を終えたものを圧搾し、ワインと固形物を分ける。 - 熟成
樽やタンクで熟成させることで、リンゴ酸が乳酸へと変わり、
荒々しさが取れる(マロラクティック発酵)。 - オリ引き・清澄
樽やタンクの底に不用物(オリ)が溜まるので取り除く。
さらに細かい不用物は濁りの原因となるため、清澄剤(卵白など)で取り除く。 - びん詰め
びん詰めして出荷される。
またはびん詰め後、貯蔵庫で熟成されるものもある。
●白ワインのつくり方
白ワインには、白ブドウまたは黒ブドウが使われる。
白ブドウも黒ブドウも果肉は黄緑色である。
赤ワインと違って、白ワインでは果汁のみを発酵させる。
- 収穫・選果
収穫したブドウから、葉を取り、傷ついているものは取り除く。 - 破砕・除梗(じょこう)
破砕機で軽く潰して、果梗(ブドウの軸、枝)を取り除く。 - 圧搾
圧搾器にかけて果汁のみを取り出す。 - 発酵
果汁のみを発酵槽に移し、酵母を加えて、2~6週間かけてゆっくり発酵させる。 - 熟成
樽やタンクで熟成させることで、リンゴ酸が乳酸へと変わり、
荒々しさが取れる(マロラクティック発酵)。 - オリ引き・清澄
タンクの底に不用物(オリ)が溜まるので取り除く。
さらに細かい不用物は濁りの原因となるため、清澄剤(卵白など)で取り除く。 - びん詰め
びん詰めして出荷される。
またはびん詰め後、貯蔵庫で熟成されるものもある。
●ロゼワインのつくり方
ロゼワインには、黒ブドウが使われる。
前半は赤ワインと同じつくり方で、後半は白ワインと同じである。
- 収穫・選果
収穫したブドウから、葉を取り、傷ついているものは取り除く。 - 破砕・除梗(じょこう)
破砕機で軽く潰して、果梗(ブドウの軸、枝)を取り除く。 - 発酵
果肉と果汁、皮、種を一緒に漬け込む(マセラシオン)。
酵母を加えて、短時間だけ(狙いの色になるまで)発酵させる。 - 圧搾
発酵途中のものを圧搾し、ワインと固形物を分ける。 - 発酵
分離したワインのみを再度発酵させる。 - 熟成
樽やタンクで熟成させることで、リンゴ酸が乳酸へと変わり、
荒々しさが取れる(マロラクティック発酵)。 - オリ引き・清澄
タンクの底に不用物(オリ)が溜まるので取り除く。
さらに細かい不用物は濁りの原因となるため、清澄剤(卵白など)で取り除く。 - びん詰め
びん詰めして出荷される。
またはびん詰め後、貯蔵庫で熟成されるものもある。
●あとがき
一般的ではないが、白ブドウを使って赤ワイン製法で造られるワインもある。
出来上がったワインの色はオレンジになる。
結局、色というのは大まかな分類方法であるということである。
ブドウの品種改良次第では、これまでにはあり得ない色のワインができるかもしれない。