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欧米諸国では、ワインを定める法律があり、
様々な基準をクリアすることで一定の品質を国が保証するものが格付けである。
EUでは2009年から3分類で格付けされており、イタリアも3分類である。
上級ワインの審査は生産者品質協会と、国立品質保護委員会が行う。
●DOP 保護原産地呼称
Denominazione di Origine Protettaの略。
決められた地域で、ブドウの品種、最大収穫量、醸造法、熟成条件など、
厳しい条件をクリアしたものだけがDOPを名乗ることができる。
旧ワイン法(DOC法)での、DOCG、DOCがまとめらてDOPとなった。
現在でも旧法のDOCGやDOCと表記してもよいことのなっている。
●IGP 保護地理的表示
Indicazione Geografica Protettaの略。
使用するブドウも醸造場所も同じ地域のものであること。
地酒のような扱いで、条件はそれほど厳しくない。
ちょっといいワインというイメージ。
●Vino(ヴィノ) テーブルワイン
特に規定がなく、未申請のものはこのカテゴリーに含まれる。
つまり、上記のDOP、IGP以外のイタリアで造られたワイン。
●スーパータスカン
スーパータスカン(Super Tuscan)とは、トスカーナワイン(Toscana Wine)を超えるという意味。
ワイン法の格付けに縛られずに造られた優良ワインの総称である。
1970年代のワイン法では、ブドウの品種がイタリアの土着品種に制限されており、
国際的に評価の高いフランス原産のカベルネ・ソーヴィニヨンなどを使うと、
テーブルワインに格付けされてしまっていた。
それでも自由に美味しいワインと造ることを貫いた結果、
格付けが上位でなくても優良なワインができあがった。
イタリア人らしい素晴らしい取り組みである。
有名なものに「サッシカイア」、「ソライア」などがある。
●あとがき
スーパータスカンのような試みは他国でももっと出てきてもよいと思う。
結局のところ、格付けは品質は伝統を保証するものであり、味とは別のものである。
しかし、格付けが上位のほうが高額になるのは(品質がしっかりしているから)仕方ないが、
イコール美味しいかというと難しい話である。
国民性にもよるが、日本人は格付けに弱い印象がある。
もっと自由に個人の感性でお酒を飲めばよいと思う。