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欧米諸国では、ワインを定める法律があり、
様々な基準をクリアすることで一定の品質を国が保証するものが格付けである。
EUでは2009年から3分類で格付けされており、ドイツも3分類であるが、
上位品質のものはさらに糖度によって肩書きが付けられる。
●g.U. 原産地呼称保護
Die geschützte Ursprungsbezeichnungの略。
このg.U.はさらに補糖の有無、糖度で分類される。
補糖有りのものは、Q.b.A(クヴァリテーツヴァイン)、
補糖無しのものは、プレディカーツヴァイン。
さらにプレディカーツヴァインは6つの肩書き(プレディカート)に分けられる。
- トロッケンベーレンアウスレーゼ
完熟した貴腐ブドウから造られる極甘口のデザートワイン。
トロッケンは英語のドライと同じで、ここでは辛口ではなく「干乾びた」の意味合い。
ベーレンは「粒」、アウスレーゼは「厳選した」の意味。
直訳すると「干乾びた粒を厳選したもの」になる。 - アイスヴァイン
氷結したブドウから造られる甘口ワイン。
ブドウの収穫を冬期まで遅らせ、水分を凍らせることによりブドウの甘さが凝縮される。 - ベーレンアウスレーゼ
貴腐ブドウや完熟したブドウから造られる甘口ワイン。
選りすぐりの粒から使ったもの。 - アウスレーゼ
熟したブドウの房を厳選し、造られるワイン。
甘口~辛口まである。 - シュペートレーゼ
通常の収穫時期よりも遅らせた、遅摘みブドウで造られるワイン。
甘口~辛口まである。 - カビネット
通常の収穫時期に摘まれたブドウから造られるワイン。
希少性からトロッケンベーレンアウスレーゼが高価なるが、
これらの品質は同等である。
つまり、より甘ければ美味しいワインということではない。
●g.g.A. 地理的表示保護
Die geschützte geografische Angabeの略。
ラントヴァイン(Landwein)とも呼ばれる。
産地や品種の特徴があらわれている地酒的なワイン。
●Deutscher-wein(ドイチャーワイン) テーブルワイン
ドイツ国内で造られるワイン。
ドイツ国内で日常的に消費されるワインで、日本への流通はほぼない。
●あとがき
ドイツでは2021年に「地理的呼称制度」がワイン法に盛り込まれ、今は5年間の移行期間中である。
この制度はフランスのブルゴーニュ地方のように、畑ごとに評価するものである。
きっちりしたドイツ人の性格には合っている気がする。
これからドイツワインの品質がさらに向上するのを目の当たりにできるの機会なのかもしれない。
ドイツワインに注目しよう。