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シードルの消費量を、AICV(欧州サイダー&フルーツワイン教会)が毎年調査している。
各データをまとめたので、見てみよう。
●世界のシードル消費量
2010年から順調に消費量を伸ばして、2018年でピークに達した。
2019年以降の上昇、維持、下降が重要な時期に、新型コロナの影響でわからなくなった。
ハッキリとシードルブームを言えるようになるのか、今後に注目したい。
ちなみに、2018年の262.5千キロリットルは、ワインの100分の1程度である。
●シードルの地域別消費量
世界のシードル消費の半分は、伝統的にシードルが根付いている西ヨーロッパで消費されている。
南アフリカには、大航海時代にシードルが伝わってので、よく消費されているようだ。
西ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアでは2018年から2019年にかけて消費が減少している。
シードル先進国ではブームが下火になったのだろうか。
消費が緩やかに伸び続けているのが、アジアである。
欧米よりもブームが遅れてやってくるのは、よくあることである。
圧倒的なリンゴの生産量を誇る中国が、今後シードルを生産、消費し始めると大変化が起こる。
しかしそれはまだ先のことのようだ。
●ヨーロッパのシードル消費量
イギリスがダントツである。
シードル主要国のスペイン、フランス、ドイツ、さらにアイルランドが続く。
ポーランドはヨーロッパ最大のリンゴ生産国であるため、シードルも消費されている。
ウクライナでの消費が年々増加しているが、2022年以降は激減するだろう。
シードルが消費できる環境に、はやく戻れることを願う。
●ヨーロッパの一人当たりのシードル消費量
イギリスとアイルランドがツートップである。
この二国にはそれぞれシードルの巨大メーカーがあるのが一因だろう。
イギリスのバルマーズ(BULMER’S)、アイルランドのマグナーズ(MAGNERS)である。
アイルランドの2016年の落ち込みは、データのミスなのか不明である。
スペインはシードルの一人当たりの消費量が2リットルだが、
シードル生産の盛んなアストゥリアス州では、
一人当たり50リットル消費し、世界最大の消費地域と言われている。
ヨーロッパでは全体的に下降傾向である。
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●あとがき
シードルの消費量は年々増加していたが、今は停滞期に入ったのかもしれない。
しかし、日本ではシードルが認知され始めている。
欧米よりもブームが遅れるので、これから盛り上がってくることを期待したい。
リンゴの栽培量が減り続けるなか、シードルで少しでも消費が増えればと思う。