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ジンは他のお酒に比べて、日本での定番商品がはっきりしている。
これまで、あまり種類がなかったことが要因だろう。
現在はクラフトジンも増えたが、ジントニックやマティーニなどの
クラシックカクテルには定番のジンが使われる。
味、品質、流通が安定していることが重要である。
バーなどに常備されているジンを見てみよう。
●基本情報
- 商品名:ゴードン ロンドン ドライジン
- 英 字:GORDON’S LONDON DRY GIN
- 生産地:イングランド
- 創業年:1769年
- 創業者:アレクサンダー・ゴードン
- 現所有社:ディアジオ社
- 日本取扱:ディアジオ・ジャパン(株)
●ボタニカル
ゴードンに使われるボタニカルは公開されていない。
創業者のアレクサンダー・ゴードンが高品質なジンを造るために、
各地から最高の材料を集めたとされている。
品質の良さをアピールするために、商品名には生産者の名前『ゴードン』が付けれた。
粗悪なジンが造られていたGin Crazeの時代(狂気のジン時代)には考えられないことである。
●王室との関係
ゴードンの品質の高さは折り紙付きである。
英国皇太子からの王室御用達の許可を含め、4つのロイヤルワラントを得ている。
エリザベス女王もジンはゴードンを飲んでいると言われている。
ゴードン家の紋章であるイノシシにも王室が関係している。
先祖が昔スコットランド王をイノシシから助けたことで、
この紋章になったとか。
このため、ゴードンのラベルにはイノシシのマークが
付けられている。
長い歴史を持つゴードンが、
由緒正しいジンであることを物語っている
●最初のジントニック
最初のジントニックに使われたジンがゴードンだったと言われている。
ジントニックの誕生は、1820年頃とされている。
イギリス軍がインドを進行中、マラリア感染を予防するために、
キナという植物から抽出されるキニーネを摂取する必要があった。
しかし、キニーネは苦味が非常に強いため、ジンに混ぜて飲まれた。
さらに炭酸水も加えて飲まれたものがジントニックの原形である。
すでにゴードンのジンは大量に造られていたため、使われたものがゴードンの可能性ある。
販売者は、ゴードンを使ったジントニックを『G&T(ゴードン&トニック)』として紹介している。
一度、バーなどでゴードン&トニックを注文してみるのも良いだろう。
●あとがき
ゴードンは創業から250年以上経っている。
スタンダード品は伝統を守り続けている。
しかし、意外と派生品が多いことを知らなかった。
ベリー系を加えたピンクのゴードンや、シチリアレモンの黄色いゴードン、
エルダーフラワーやゴードンのスロージン、ジントニック缶など。
伝統を守りつつも、時代の変化に対応して、新たな製品を出し続けることが大切なのだろう。