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イギリスのDrinks Internationalが公開しているデータをもとにジンの販売量(売上)をまとめた。
ジンのランキングはどうなっているのか、世界で最も販売量(売上)が多いブランドは
何なのか見てみよう。
●ジンの販売量ランキング【2021】
2021年のジンの世界販売量は以下の通りである。
単位は百万ケースで、1ケースは9リットル換算。
・1位 Ginebra San Miguel (ヒネブラ・サン・ミゲル)
フィリピンの総合酒類メーカーであるGinebra San Miguel社のブランド。
ジンは1834年から製造しており、約190年の歴史がある。
ジンはプレミアム品も販売している。
他にもラム、ブランデー、ウォッカ、ワインも生産している。
フィリピンビールの「San Miguel(サンミゲル)」はアジア料理店でよく見かける。
フィリピンはジンの国別消費量が世界一であり、飲料としてジンが浸透している。
スペイン統治の時代にジンの製造技術が伝わった。
販売量は他のメーカーとはケタ違いで、首位独走状態である。
年々販売量を増やしており、全スピリッツの販売量でも世界2位のブランドである。
日本では販売していないが、東南アジアを中心に、北米やイギリス、インド、中東に展開している。
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・2位 Gordon’s (ゴードン)
イングランドの超定番ブランド。
現在は世界最大の酒類メーカーであるディアジオ社の製品。
ゴードンは1769年から製造されている老舗である。
1位には遠く及ばないが、3位には1.3倍の差をつけている。
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・3位 Tanqueray (タンカレー)
ゴードンと同様に、こちらもイングランドの超定番ブランド。
そして同じく、ディアジオ社の製品である。
タンカレーは1830年から製造されている。
2021年の世界のトップバーが選ぶジンブランドとして、タンカレーが1位に選ばれている。
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・4位 Bombay (ボンベイ)
イングランドの定番ブランドで、ヴェイパーインフュージョン(蒸気抽出)製法が有名。
世界的な酒類メーカーであるバカルディ社の製品。
ジン製造は1761年から始まっている。
その後、ヴェイパーインフュージョンという独自の製法を開発した。
ボンベイは売り上げは、ボンベイ・サファイア、ボンベイ・ドライ、
スター・オブ・ボンベイなどのボンベイシリーズの総合販売量である。
そのうちボンベイ・サファイアだけ8割を占める。
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・5位 Beefeater (ビーフィーター)
イングランドの定番ブランド。
ディアジオ社に次ぐシェアを誇る酒類メーカー ペルノ・リカール社の製品。
ジン製造は1820年からで、兵士のラベルで知られている。
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・6位 Seagram’s (シーグラム)
元はカナダのメーカーだったが、現在はペルノ・リカール社の製品。
1939年にカナダのシーグラム社が発売した。
北米で人気のブランドだが、日本には輸入されていない。
・7位 Hendrick’s (ヘンドリックス)
スコットランドのジンで、特徴はバラとキュウリ。
現在はウイスキーメーカーのウィリアム・グラント&サンズ社の製品。
1999年に発売された、比較的新しいジン。
着実に販売量を伸ばしてきている。
・8位 Larios (ラリオス)
スペインの人気ブランド。
日本の酒類メーカー ビームサントリー社の製品。
日本では販売されていない。
サントリーのジン製品と競合するため、日本市場への投入はないだろう。
ジン製造は1866年からで、スペインらしい華やかなラベルデザインである。
・9位 Gilbey’s (ギルビー)
イングランドの定番ブランド。
ゴードン、タンカレーと同様にこちらもディアジオ社の製品。
ジン製造は1872年からである。
日本でもスーパーやコンビニでよく見かける。
日本輸入品は他国に生産委託されたものだが、
イングランドのジンであることに間違いない。
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●あとがき
世界的にジンの消費量は伸びてきているが、今流行りのクラフトジンが
このランキングに入るのはまだ先のことだろう。
そして、ヒネブラ・サン・ミゲルの独走はまだまだ続くことが予想される。
販売量の増加ペースが他とは明らかに違い、差が広がるいっぽうだ。
日本市場が魅力的なら、今後参入があるかもしれない。
サンミゲルがどこまで販売量を伸ばすのか注目したい。