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ポートワインのつくり方

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文字数:約1500文字

 ポートワインの造り方のポイントは、なんといってもの酒精強化にある。
酒精強化するタイミングでワインの甘さが決まる
ポートワインの造り方を見てみよう。

製造フロー

 ポートワインは以下の工程順で造られる。
発酵までは通常のワインと同じである。

  1. ブドウ栽培/収穫
  2. 除梗(じょこう)/破砕/搾汁
  3. 発酵
  4. 酒精強化
  5. 熟成

ブドウ栽培/収穫

 ポートワイン用のブドウ栽培は原産地呼称制度のもと、
ドウロ地域内の約26,000ヘクタールに限られている
ドウロ川周辺の栽培地は傾斜が多い。

 その栽培地はさらに3つの地域に区分されている。
下流側から「バイショ・コルド」、「シマ・コルド」、「ドウロ・スペリオール」である。

 収穫は8月下旬から10月中旬にかけて行われる。

ドウロ地域
https://www.ivdp.pt/pt

・バイショ・コルド

 バイショとは「低い(Lower)」の意味。
3地域の中でもっとも東側にあり、大西洋からの海風によって涼しい

 面積は小さいが、面積当たりのブドウ畑の割合は多い
もっとも古くからポートワインのブドウを栽培している。

・シマ・コルド

 シマは「高い(Upper)」の意味。
3地域のなかでは2番目に大きい面積があり、ブドウ栽培面積は最大である。
古くからブドウを栽培しており、ポートワイン用のブドウ栽培の中心地域

・ドウロ・スペリオール

 一番西側の地域であり、スペインとの国境に面している。
面積は一番広いが、面積当たりのブドウ栽培面積は小さい。
土地の開発が遅れたのが原因だが、現在は他の地域よりも大規模な農場が多い

除梗(じょこう)/破砕/搾汁

除梗/破砕/搾汁
https://www.ivdp.pt/pt

 ブドウについている茎や果梗(かこう)も取り除く。
同時に、収穫したブドウを軽く潰すことで、果汁(モスト)を得る。

 現在では、機械で行われることが多いが、昔ながらの製法にこだわる生産者もいる。

伝統的な製法では、「ラガール」という石でできた桶(プール)のなかで、足踏みして行われる。

 通常のワインと同様に、黒ブドウは皮や種はそのままに、白ブドウは果汁だけを使う。

発酵

 得られた搾汁液(モスト)を容器に入れて発酵させる。
酵母は生産者によって、自然酵母だったり、培養酵母だったりする。

酒精強化

酒精強化イメージ
Engin AkyurtによるPixabayからの画像

 ポートワインの特徴である甘さは、発酵を途中で止めることで得られる。
発酵は、酵母がブドウの糖分をアルコールと二酸化炭素に分解して行われる。

 糖分がすべて分解される前に、蒸留酒を加えて発酵(酵母の働き)を止める。
酵母はアルコール度数が高い環境では失活(死滅)してしまうのである。

 残された糖分のおかげで、ブドウの甘さが保たれる
添加されるのは、アルコール度数は約77%のブドウの蒸留酒(グレープ・スピリッツ)である。

 発酵液4に対して、蒸留酒1の割合で添加される。
これによりアルコール度数は17~20%程度にする。

 酒精強化の目的はシェリーと同様に、アルコール度数を高めることで、
長い航海に耐えるためとされている。
ワインが航海中に酸っぱくなってしまうのを防ぐために、スピリッツが足されたとされる。

熟成

熟成庫
https://www.ivdp.pt/pt

 ポートワインは、最低3年の熟成が必要とされる。

 熟成はブドウ生産地のドウロ地域か、ドウロ川河口の町ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアで行われる。
輸出用はガイアで熟成されることがほとんどである。

 ポルトやガイアには、「ロッジ」と呼ばれる、ポートワインの貯蔵熟成庫が多数ある。
各メーカーのロッジでは、倉庫見学ができ、試飲や購入もできる。

あとがき

 ポートワインの貯蔵熟成庫であるロッジには一度行ってみたいものだ。
倉庫を見学した後は、テラス席でドウロ川を眺めながら、ポートワインをいただき、優雅に過ごす。
ポルトガル観光の人気ツアーである。

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