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ワイン好きを悩ませる問題が、歯への着色汚れだろう。
歯医者さんに行ってホワイトニング処置をしてもらえば、キレイになるが高価である。
症状レベルによっては、ホワイトニング処置をしなくて、白さを取り戻せる。
ホワイトニングは最終手段として考えよう。
歯の状態によって対策が変わってくるので、それぞれ見てみよう。
●着色の原因
赤ワインと白ワインでは、着色のメカニズムが違う。
赤ワインの場合は、ワインに含まれるポリフェノールが原因である。
歯の表面はペリクルという膜に覆われている。
ペリクルはポリフェノールを吸着してしまう性質があり、これが着色となる。
白ワインの場合は、酸性度の高さが原因である。
酸性度が高いと歯を溶かすことになる。
表面がデコボコしていると色々な成分が付着してしまう。
このように、赤でも白でも着色の原因となるのである。
●症状レベル別対策
ワインに限らず飲食をしていると、どうしても着色してしまうもの。
丁寧に歯磨きをしていても、徐々ではあるが確実に蓄積されていくのである。
ワインを飲む時の対策、歯磨き対策、ホームホワイトニングの順で説明する。
最終手段としては歯医者さんでのホワイトニング処置となるが、
時間もお金もかかってしまうので、その前に対処したい。
・ワインを飲む時の対策
歯の表面が乾いているとポリフェノールが付きやすくなるため、
事前に水を飲んでおくことが良いとされている。
また、ワインを飲む合間に水を飲んで、酸性に傾いた口の中を中和させることで、
歯が溶けるのを防ぐことができる。
そして、ワインを飲んだ直後には歯磨きをしないこと。
ワインを飲んだ直後は酸によって歯の表面が弱っている。
その状態で歯磨きをすると傷を広げてしまうのである。
水でうがいして、30分ほど経てば唾液で中和されるので、それから歯磨きしよう。
・歯磨き対策
研磨剤の入っていない歯磨き粉を選ぶことが重要である。
研磨剤は、着色汚れを削り落とすが、同時に歯の表面にまでダメージを与えてしまう。
歯のエナメル質は、口の中の環境を整えてあげると自然と修復されるが、
歯磨きで削り続けると修復が間に合わなくなってしまう。
このため、研磨剤が入っていない歯磨き粉、または歯磨きジェルがオススメである。
しかし、どれだけ歯磨きをしていても、着色は蓄積されるため、
歯医者さんでのクリーニングによって、定期的にメンテナンスすることが望ましい。
・ホームホワイトニング
歯磨きだけでは落としきれない着色汚れには、LED照射によるホームホワイトニングがある。
LED照射によって薬剤の浸透を促進し、ホワイトニング効果を高めることができる。
歯医者さんに行くよりも安価で、自宅で好きな時間に行えるのがメリットである。
歯医者さんのホワイトニングは、通い続けないといけないことを考えると、
やはり最終手段となる。
・オフィスホワイトニング
お金も時間もかかるが、確実に白い歯が手に入る。
しかし白さを維持するためには、定期的に通院する必要がある。
歯のエナメル質が、磨き過ぎや加齢により薄くなる症状レベルまで達すると、
オフィスホワイトニングが有効になる。
そもそも日本人のエナメル質の厚さは、欧米人よりも薄いといわれており、
エナメル質の下にある象牙質の色(黄土色)が透けやすい。
日本人よりも欧米人のほうがワインを飲んでいるのに白い歯の人が多いのは、
歯の構造に差があるということである。
ホワイトニングは、エナメル質の表面を変質させることによって、
光を反射して白く見えるようにするというものである。
この変質を維持するために、定期的なメンテナンスが必要となる。
・一時しのぎの対策
どうしてもスグに歯の白さを得たいときは、歯をマスキングする方法がある。
歯磨きやホワイトニングでは時間がかかってしまう。
手軽で、即効性があるものを利用するのも一つの手段である。
一時しのぎではあるが、大事なシーンには必要なことである。
マスキングで得た白い歯で重要な場面を乗り切り、
その後ゆっくりと本格的なホワイトニングを行えば良いのである。
●あとがき
歯の着色など気にせずにワインを飲めると良いのだが、そう簡単ではない。
できることは、なるべき着色が蓄積する前に、対処することだろう。
日々のケアをしっかり行い、定期的にクリーニングに通えば、最小限の着色で済む。
好きなものを飲むのも楽じゃないのである。