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日本のウイスキーはどこ国に多く輸出されているのか。
また、日本はどこの国から多く輸入しているのか。
日本のウイスキー輸出入量、輸出入金額、
輸出先と輸入元について、財務省のデータをまとめた。
●ウイスキーの輸出入量
ウイスキーの輸出量は年々増えている。
1990年代のブーム時は6,000kLを超える輸出量であったが、徐々に減少する。
そして2000年代後半から再度輸出量が増え続け、10,000kLを超えるまで増加した。
2022年は14,000kLが輸出された。
輸入量は増減はあるものの、増加傾向にある。
2022年は今世紀最高の61,000kLである。
この勢いが続けば、1989年の77,000kLを超える日も近いかもしれない。
輸出量と輸入量では、まだ輸入量のほうが4倍以上多い。
ジャパニーズウイスキーは世界中で高い評価を得ている。
新規蒸留所が建設され、生産量が増えてくれば、これからさらに輸出量が増える。
そして輸出量が輸入量と同じくらいまで達することがあるかもしれない。
●ウイスキーの輸出入額
輸出量が増えると輸出金額も増える。
しかし、量の増え方よりも金額の増加率のほうが大きい。
これはジャパニーズウイスキーが高額化していると考えられる。
輸入金額も増えているが、輸出金額このペースで増え続けると、
近いうちに輸入金額を超える可能性がある。
貿易収支が黒字に転じるということである。
国が輸出のフォローに力を入れる理由がわかる。
●ウイスキーの輸出先、輸入元
輸出先1位はアメリカで23%を占めている。
意外にも2位はグルメ大国フランスで20%、3位は中国が15%を占める。
4位台湾7%、5位オランダ6%、6位韓国5%、7位シンガポール5%、
8位オーストラリア3%、9位カナダ2%、10位インド2%。
以上が輸出先上位10カ国であり、全体の9割弱を占める。
輸入元ダントツ1位はイギリスで62%を占め、スコッチ人気の表れだろう。
2位はアメリカで23%を占め、バーボン人気も健在である
3位はカナダ11%で、カナディアンウイスキーを忘れてはいけない。
意外にも4位はスペイン2%で、最近は小規模蒸溜所が増えている。
5位はアイルランド1%で、さすが5大ウイスキーの一角である。
以上が輸入元上位5カ国であり、全体の99%を占める。
さて、もう少し数字を詳しく見てみよう。
量の上位20カ国ランキングで、輸出入量、輸出入額、1L当たりの金額をまとめた。
輸出量ではアメリカが1位であるが、輸出額では中国が1位である。
1L当たりの金額を見ると中国は高額ウイスキーを輸入していることがわかる。
他にも香港やイギリス、ベトナム、マカオ、マレーシアでは、
ジャパニーズウイスキーが高額で売買されているのだろう。
アメリカは量の割に金額が少ないのは、幅広い価格帯を輸入していると考えられる。
それにしてもマカオでは、ジャパニーズウイスキーが過熱気味なのだろうか、、、
輸入では、スコッチが高額かと思えば、そうではないことがわかる。
スコッチは低価格のブレンデッドから、高価格のシングルモルトまで幅が広い。
それはバーボンも同様である。
1L当たりの金額ではイタリアやドイツが突き抜けているが、
両国とも輸入量が2kL程度なので注意して見なければならない。
カバランで人気の台湾ウイスキーはやはり高額であることがわかる。
そして最近注目のオーストラリアも見逃せない。
2022年の輸出先を地図に記すとこのようになる。
北米、欧州、アジア・オセアニアのバランスが良いように見える。
こう見ると、まだまだ輸出先の開拓ができそうに思える。
輸出するだけの量があればの話だが。
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●あとがき
ウイスキーの輸出入量や輸出入金額を見ていると、まだ今の傾向は続きそうである。
日本ではお酒離れが進む中で、ウイスキー人気には陰りが見えない。
国内外の新規蒸留所から、新しい革新的なウイスキーが生まれるのを楽しみにしたい。