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日本で造られたお酒は、どこの国に多く輸出されているのか。
お酒の種類ごとにレーダーチャートにプロットし、
輸出額を総合ランキングにまとめた。
どこの国に、どのお酒を輸出しているのか見てみよう。
財務省の貿易統計から、2022年データを基にまとめた。
●国別お酒の輸出額ランキング
総合ランキング順に見ていこう。
レーダーチャートの軸は順位(1~25)を表している。
ワインには、スパークリングワイン、ベルモットも含まれている。
その他とは、区分されている以外の発酵酒である。
・総合1位 中華人民共和国
輸出額の総合1位は中国である。
中国は、清酒、ワイン、焼酎乙類・泡盛、ウイスキー、ブランデーの5項目で1位を獲得。
ビールでも2位、焼酎甲類、ラム、その他でも3位と、各項目で上位を得ている。
順位が低いのはウォッカ10位、ジン18位である。
中国では日本のお酒に対して、強い需要があるようだ。
同じアジア圏で、さらに隣国ということから、良い関係を維持したいものである。
・総合2位 アメリカ合衆国
輸出額の総合2位はアメリカである。
アメリカは、ジンとウォッカの2項目で1位を獲得。
清酒、焼酎乙類・泡盛、焼酎甲類、ウイスキー、ラムの5項目で2位を獲得。
順位が低い項目はなく、全種類で高順位を得ている。
日本はアメリカのお酒を多く輸入しているが、アメリカも日本のお酒を多く輸入している。
友好国であるアメリカとは、お酒の面でも良い関係を築いているようだ。
・総合3位 香港
輸出額の総合3位は香港である。
香港は、1位を獲得した項目はないが、ワインで2位、清酒で3位を獲得している。
中国と同様に、ウォッカやジンが低順位である。
財務省の元データが中国と分けていたので、香港を単独で集計している。
・総合4位 台湾
香港と同様に、台湾も単独での集計となる。
総合4位の台湾は、ビール、その他で1位を獲得。
やなりウォッカ、ジンが低順位である。
・総合5位 シンガポール
総合5位のシンガポールは、バランスよく全項目を輸入している。
ブランデーで2位、ジンで3位を獲得。
シンガポールでは日本のいろんなお酒に興味を持っていてくれているようだ。
・総合6位 フランス
6位のフランスがヨーロッパでは最上位である。
ラムで1位、ウイスキーで3位を獲得。
ブランデーの本場フランスでは、日本産ブランデーはあまり知られていないようだ。
・以下の順位
- 7位 韓国
- 8位 オーストラリア
- 9位 オランダ
- 10位 カナダ
- 11位 イギリス
- 12位 ベトナム
- 13位 マカオ
- 14位 マレーシア
- 15位 タイ
輸出額ランキングTOP15をレーダーチャートで見ると、
アジア圏や環太平洋への輸出が多いようだ。
オーストラリアでは甲類焼酎を多く輸入しているようだが、
理由を調べるのも面白そうだ。
ヨーロッパではフランス、オランダ、イギリスがランクインしている。
各国で輸入関税の違いや、経済協力の違いがあるので、単純ではないが、
日本のお酒をもっと知ってもらえるように努力する必要はありそうだ。
●順位表と金額表
輸出額TOP20の順位表と、金額表を掲載しておこう。
項目別で見ると、清酒とウイスキーがずば抜けているのがわかる。
国別では中国とアメリカが2強である。
中国は香港やマカオなどを合わせるとダントツになってしまうだろう。
■【レーダーチャートで見る】シリーズ
・ワインの生産、消費、輸出入量
・国別お酒の輸出額
・都道府県別一人当たりの飲酒量
●あとがき
日本のお酒が世界中で飲まれるのは良いことである。
しかし知名度が高まり、需要があっても、供給できていないのが残念である。
総合順位のツートップである中国とアメリカに対して、日本は政治的には難しい立場だが、
お酒の経済に関しては今の良い関係を維持できるようことを願う。