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ウォッカをベースにしたカクテルとして有名なのがモスコー・ミュールである。
ウォッカベースだと知らなくても、モスコー・ミュールは知っているという人もいる。
『モスコミュール』とも呼ばれ、とても人気のあるカクテルだ。
モスコー・ミュールの誕生背景や名前の意味、レシピを紹介しよう。
●レシピ
材料
- ウォッカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40ml
- ライムジュース・・・・・・・・・・・・・・・・・・15ml
- ジンジャー・ビア(またはジンジャー・エール)・・・適量
- 銅製のマグカップに氷を入れ、ウォッカとライムジュースを入れる
- ジンジャー・ビアで満たす
- お好みでカットライムを入れてもよい
●誕生背景
モスコー・ミュールはウォッカの販促カクテルとして1941年に誕生したといわれている。
アメリカのハリウッドにあるレストラン、コックン・ブル(Cock’n Bull)が誕生地。
ロシア産ウォッカ『スミノフ』の販売権を得た米ヒューブライン社の
営業担当ジョン・ギルバート・マーティンは、
ハリウッドのレストラン経営者であるジャック・モーガンに相談する。
ちなみに、マーティンはヒューブライン社の創業者の孫であり、
後に『007』の映画にスミノフを登場させたりして、世界へのPRに成功する。
コックン・ブルはハリウッドスターが多く訪れる有名店だが、
この時レストランではジンジャー・ビアの在庫を大量に抱えていた。
そこで、二人はウォッカとジンジャー・ビアを使ったカクテルを考案する。
このカクテルは、騾馬(らば)が足を蹴り上げているデザインの銅製マグカップで提供された。
お店を訪問する有名人はこのカクテルを気に入り、サインしたカップをキープした。
このカップがお店の棚に並べられ、カクテルは大人気となった。
騾馬はミュール、ウォッカはロシア(=モスクワのイメージ)産から、
このカクテルは『モスコー・ミュール』と名付けられた。
・諸説
名前の由来として別の説もある。
ウォッカのアルコール感はキック(衝撃)が強いことから、
騾馬(らば)の後ろ蹴りを連想される。
このことから『モスコー・ミュール(モスクワの騾馬)』と名付けられたという説。
ちなみに、モスクワの騾馬は、頑固者という意味があるという。
他にも、ウォッカの営業マンと、ジンジャー・ビアの在庫をかかるレストラン店主、
銅マグを売りたい販売者の3者が協力して考案したという説など。
●あとがき
モスコー・ミュールは暑い日に飲むのが最高である。
ジンジャーの辛味、ライムの酸味を、ウォッカは邪魔しない。
熱伝導性の良い銅マグに口をつけると、その冷たさが伝わる。
遅れてウォッカのアルコール感がやってくる。
人気になる理由がわかる気がする。