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『デザートカクテルの定番』【アレクサンダー】

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文字数:約1800文字

 クリーム系デザートカクテルの定番は『アレクサンダー』だろう。
いっけん強そうな名前だが、香り高く、口当たりの優しいカクテルである。

 アレクサンダーの誕生背景やレシピ、バリエーションを紹介しよう。
ちなみにこのカクテルは『アレキサンダー』とも呼ばれている。

カクテル アレクサンダー
Q KによるPixabayからの画像

レシピ

材料

  • ブランデー・・・・・・・30ml
  • カカオ・リキュール・・・15ml
  • 生クリーム・・・・・・・15ml
  1. シェーカーに氷と材料を注ぎ、強めにシェークする
  2. 冷やしたグラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
  3. お好みでナツメグパウダーを振りかけてもよい

 ブランデーの華やかな香りをカカオが包み込む。
クリーミーで優しい飲み口だが、アルコール度数は高めなので注意。

誕生背景

 多くの人が『アレクサンダー』と聞いて思い浮かべるのが「アレクサンドロス大王」だろう。
しかしこのカクテルは「アレクサンドラ」という女性のために作られたという説が日本では一般的。

 20世紀初頭にイギリスのヴィクトリア女王が亡くなる。
その後、息子のエドワードが、「エドワード7世」として王位に就く。
このエドワードの妻がデンマーク国王の娘「アレクサンドラ」なのである。

アレクサンドラ王女

 1901年にエドワード7世の即位があり、翌年(1902年)にアレクサンドラ王妃の戴冠式の際に、
新王妃にこのカクテルが捧げられたという。
当初カクテル名は『アレクサンドラ』だったが、
アメリカに伝わる際に『アレクサンダー』になってしまったとか。

 ちなみに、エドワード7世の滋養のために作られたジンジャー・リキュールが
キングスジンジャー・リキュール』である。
ショウガを蒸留酒に4週間漬け込み、レモンオイルを加えて柑橘系の香りを付けたもの。
度数は41度あり、身体の芯から温まる。

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 さらに、ヴィクトリア女王は『ボンベイ・サファイア』のラベルに描かれている。
ボンベイ・サファイアの原形となったジンのレシピが考え出された時代は、
ヴィクトリア女王のもと、イギリスがインドを治めていた時代である。
インドの都市ボンベイ(現ムンバイ)の名前を使い、
後のリニューアル時に女王の肖像画をラベルに描いた。

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・諸説

 アレクサンドラ説以外にも有力な説がある。

 1922年にイギリス王女メアリーとラッセル卿の結婚を祝して作られたカクテルがある。
メアリーは上記アレクサンドラとエドワード7世の孫にあたる。

バッキンガム宮殿の門
Steven EによるPixabayからの画像

 ロンドンの名バーテンダー、ハリー・マッケルホーンが考案したという。
メアリーに捧げられたカクテルなので『プリンセス・メアリー』という名前で、ジンベースだった。
このレシピはマッケルホーンが書いた『ABC of Mixing Cocktails』の1922年改訂版に載っている。

 後に、ベースをジンからブランデーに替えたものが、
アレクサンドラ』と呼ばれるカクテルとなるが、その経緯は不明。

 また、ジンベースでカカオ・リキュールと生クリームを使ったレシピは、
1910年代の複数のカクテル本に記載されており、
アレクサンダーの原形がどれになるかはわかっていない。

バリエーション

 ここでは、『プリンセス・メアリー』と『アレクサンダーズ・シスター』を紹介する。
共通するのは、ジンと生クリームを使う点。

・プリンセス・メアリー

材料

  • ドライ・ジン・・・・・・30ml
  • カカオ・リキュール・・・15ml
  • 生クリーム・・・・・・・15ml
  1. シェーカーに氷と材料を注ぎ、強めにシェークする
  2. 冷やしたグラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
  3. お好みでナツメグパウダーを振りかけてもよい

 アレクサンダーのブランデーをジンに替えたもの。
ジュニパーの香りがカカオに包まれている

・アレクサンダーズ・シスター

材料

  • ドライ・ジン・・・・・・・・・・・30ml
  • グリーン・ミント・リキュール・・・15ml
  • 生クリーム・・・・・・・・・・・・15ml
  1. シェーカーに氷と材料を注ぎ、強めにシェークする
  2. 冷やしたグラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
  3. お好みでミントの葉を飾ってもよい

 プリンセス・メアリーのカカオ・リキュールをグリーン・ミント・リキュールに替えたもの。
ジンとミントの香りが爽やかで、涼しげなデザート・カクテル。

あとがき

 イギリス王室と関係するお酒は多くある。
王室御用達のお酒や、王室関係者をイメージしたカクテルなど。
お酒の歴史の上で、イギリスを抜きにして語ることはできないくらいである。
イギリス王室とお酒の関係を調べてみるのも楽しいだろう。

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