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『甘苦さが魅力のカクテル』【ネグローニ】

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文字数:約1200文字

 甘さと苦さが絶妙なカクテルがネグローニである。
元は『アメリカーノ』に手を加えて誕生したカクテルである。

 スイート&ビターなカクテル、ネグローニの誕生背景やレシピを紹介しよう。

レシピ

ネグローニ
eKokkiによるPixabayからの画像

材料/レシピ

  • ドライ・ジン・・・・・・・30ml
  • カンパリ・・・・・・・・・30ml
  • スイート・ベルモット・・・30ml
  1. オールド・ファッションド・グラスに氷と材料を注ぎ、ステアする
  2. お好みでオレンジ・ピールを振りかけるか、スライス・オレンジを飾ってもよい

 材料のジンも、カンパリも、ベルモットも、香草薬草など草根木皮を使っており、
複雑な香りに仕上がる。

 味わいはカンパリの苦味と、スイート・ベルモットの甘味
ジンのアルコール感が混ざり合って、口の中に広がる。

誕生背景

フィレンツェ
Andrea SpallanzaniによるPixabayからの画像

 ネグローニという名前は、このカクテルを好んで飲んだネグローニ伯爵にちなんで付けられた。

 イタリアのカミーロ・ネグローニ伯爵は、フィレンツェにある「カフェ・カソーニ」の常連で、
店に行くといつも食前酒に『アメリカーノ』を飲んでいた。

 ネグローニ伯爵は旅先のイギリスでジンを気に入り、帰国後、
「カフェ・カソーニ」でアメリカーノをジンに替えるように頼む
任されたのは店のバーテンダー、フォスコ・スカルセリである。

 1919年、できあがったドリンクを伯爵は大いに気に入り、新たな食前酒として愛飲した。
その後(43年後)、お店はネグローニ家の許可を得て、1962年にこのドリンクのレシピを公開した。
伯爵に敬意を表し、名前を『ネグローニ』としたのである。

・アメリカーノ

ミラノ
Dimitris VetsikasによるPixabayからの画像

 ネグローニ伯爵がいつも飲んでいた食前酒『アメリカーノ』にも触れておこう。
アメリカーノは現在でも飲まれているスタンダード・カクテルである。

材料/レシピ

  • カンパリ・・・・・・・・・30ml
  • スイート・ベルモット・・・30ml
  • ソーダ・・・・・・・・・・適量
  1. オールド・ファッションド・グラスに氷と材料を注ぎ、ステアする
  2. ソーダをゆっくりと適量注ぐ
  3. お好みでレモン・ピールを振りかけてもよい

 アメリカーノの原形はかなり古く、1861年とされている。
当初はミラノ産のカンパリとトリノ発祥のベルモットから『ミラノ-トリノ』と呼ばれていた。
やがて、ミラノ-トリノを炭酸水で割ったものがアメリカ人旅行客のあいだで評判となり、
1917年にアメリカ人を意味するイタリア語『アメリカーノ』と改名された。

 ちなみにアメリカーノ(ミラノ-トリノ)の考案者は、ガスパーレ・カンパリだといわれている。
ガスパーレ・カンパリはその名の通り、『カンパリ』の開発者である。
カンパリは1860年に開発され、翌年にはミラノ-トリノが考案されたことになる。

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あとがき

 たまに無性に飲みたくなるネグローニ。
生物が本能的に避ける苦味と、人類が脳のエネルギーとして欲する甘味(糖)、そして快楽を与えるアルコール。
これらが絶妙に合わさったものがネグローニである。
大人だからこそわかる、このビター&スイートな味わい。
ネグローニ伯爵の気持ちが少し理解できたような気がする。