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世界中で造られて、飲まれているワイン。
どの地域で多く造られて、どの地域で飲まれているのか、
気になる人もいるだろう。
ということで、世界のワイン生産量と消費量をまとめた。
国際ブドウ・ワイン機構(OIV:International Organisation of Vine and Wine)が
公表しているデータを基にした。
●世界のワイン生産量と消費量
・地域別ワインの生産量と消費量
2022年の世界全体の生産量は約2,600万kL、消費量は約2,300万kLである。
地域別でみると、生産も消費も圧倒的にヨーロッパで行われている。
だいたい世界の2/3をヨーロッパが占めていることがわかる。
次いでアメリカ地域が生産は1/5、消費が1/4を占めている。
アジア、アフリカ地域、オセアニアはそれぞれ1割にも満たない。
それぞれの地域でのワインに対しての歴史の長さをものがたっている。
・世界のワイン生産量と消費量の推移
生産量は年によってばらつきが大きい。
気候環境の影響を受けやすいことがわかる。
安定生産の難しさが表れている。
消費量は2007年のピークから、ここ数年はやや減少傾向にある。
しかし生産量ほどの激しい変動はなく、安定しているともいえる。
・地域別のワイン生産量と消費量の推移
グラフは1995年から2022年までのものである。
全生産量の2/3を占めるヨーロッパでは若干減少傾向にある。
アメリカ地域は上昇後、増減幅の大きい横ばい状態。
オセアニアは減少年はあるものの、上昇傾向にある。
アフリカ地域は横ばい、アジアは急減少している。
アジアの要因は中国にある。
消費量をみると、2/3を占めるヨーロッパは減少傾向にある。
アメリカ地域は上昇傾向、オセアニアは横ばいに落ち着いている。
アフリカ地域はピークをすぎて減少に転じてる。
アジアの急激な減少は生産と同様に中国の影響である。
●国別のワイン生産量と消費量ランキング2022
生産量、消費量、一人当たりの消費量のTOP4は全て欧米国で占められてる。
生産量と消費量をそれぞれ詳しく見てみよう。
・国別ワイン生産量2022
2022年のワイン生産量1位はイタリアで全体の19%を占める。
2位は僅差でフランスが18%、次いで3位はスペインが14%、
4位はアメリカ9%と続く。
TOP4で全体の6割を生産している。
・国別ワイン生産量推移
イタリア、フランス、スペインのヨーロッパ勢が三つ巴の状態である。
やや離されてアメリカが単独で追う形。
生産量が落ちてきたとはいえ、まだまだヨーロッパ勢の強さを感じる。
5位以下も拡大してみてみよう。
日本でも人気のチリが生産量を伸ばしてきているのがよくわかる。
そして目立つのが中国の急減少である。
中国でのワインブームは終わり、今は量よりも質への移行期と考えられる。
・国別ワイン消費量2022
2022年にワインをもっとも消費した国はアメリカである。
ワインの本場であるヨーロッパ勢を抑えて12年連続の1位である。
2位フランス、3位イタリア、4位ドイツ、5位イギリス、6位スペインと
ヨーロッパ勢が続く。
そして7位に中国がランクインする。
・国別ワイン消費量推移
アメリカは消費量を伸ばし続けており、TOPを独走中である。
2位のフランスは減少が続いたが、ここ数年は横ばいをキープしている。
3位のイタリアも下げ止まり横ばいを続けている。
4位のドイツ、5位のイギリス、6位のスペインは横ばいを維持し安定感がある。
中国はワインブームが一段落したようだが、それでも世界7位である。
次のブームに備えている感じがする。
消費量70万[kL]以下を拡大してみてみよう。
ルーマニア、スイス、ハンガリー、ギリシアは減少傾向にある。
ポルトガルは減少、横ばいから回復しつつある。
オーストラリアは上昇後、横ばいが続く。
まとめたデータをお求めの方はこちら。
●一人当たりのワイン消費量ランキング2022(15歳以上)
順位 | 国 | 2022年(2021年) |
---|---|---|
1位 | ポルトガル | 67.5 (51.9) |
2位 | フランス | 47.4 (46.9) |
3位 | イタリア | 44.4 (46.0) |
4位 | スイス | 35.5 (35.3) |
5位 | オーストリア | 30.8 (30.6) |
6位 | ドイツ | 27.0 (27.5) |
7位 | オーストラリア | 26.1 (25.6) |
8位 | チェコ | 25.3 (26.2) |
9位 | スペイン | 25.3 (26.1) |
10位 | オランダ | 24.5 (24.5) |
一人当たりのワイン消費量はポルトガルがダントツの1位である。
2位のフランスと20L以上の差がある。
TOP10のうち7位のオーストラリア以外はすべてがヨーロッパ勢なのは、
生活の一部にワインが浸透してるということだろう。
消費量で1位のアメリカは一人当たりでは17位で12.6Lである。
ちなみに日本は20位で3.1Lである。
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●あとがき
ワインの生産量も消費量もまだまだヨーロッパ地域が多くを占めているが、
それは昔ほどではなくなってきている。
ヨーロッパがこれから大幅に伸びることは考えにくい。
他の地域はこれからまだまだ需要の伸びしろがある。
特にアジアは中国一強なので、これからが期待できそうだ。
ワインの世界はこれからどのように変化していくのか注目である。