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猿に関連するお酒

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文字数:約7000文字

 猿に関係するお酒をまとめてみた。
定番商品の銘柄やラベルなどを紹介しよう。
コラボや限定品は別の機会があれば紹介したい。

猿
RENE RAUSCHENBERGERによるPixabayからの画像

日本酒

 日本酒では以下を紹介する。

  • 山猿(やまざる)
  • 雪猿(Snow Monky
  • 猿庫の泉(さるくらのいずみ)
  • さるはし

・山猿(やまざる)/永山酒造/山口県

山猿

https://www.yamanosake.com

 山猿のラベルにはお猿のイラストが描かれている
赤い頬と、丸い目が何とも言えぬ表情を浮かべている。

 山猿は山口県の永山酒造合名会社が造る日本酒である。
永山酒造は1887年(明治20年)に創業した130年以上の歴史を持つ酒蔵である。
日本酒以外にも、焼酎、果実酒、リキュールなどを扱っている。

 山猿は2002年(平成14)年に五代目社長によって立ち上げられた。
以下引用が山猿の名前の由来である。

北長門地区の俵山温泉の起源にまつわる逸話に薬師如来の化身となった”猿”が温泉のありかを村人に教える。というものがあるということを聞きました。この地では”猿”は縁起のいいというのです。その話を聞いたときにピンと来たんですよ。山口にはほかにも『猿地蔵』などの民話や『周防猿回し』といった郷土技能もあり、”猿”というものになじみがありましたから。『山口』の『猿』で『山猿』というネーミングになったわけです。響きもいいですし、『農業を止めない』『”やまざる”努力の結集』といった思いも込もっています。

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・雪猿(Snow Monky)/玉村本店/長野県

雪猿

https://tamamura-honten.co.jp

 雪猿のラベルには、目を閉じてうっすらと笑みを浮かべる猿のイラストが描かれている。
頭には雪の結晶をのせており、赤いラインがニホンザル特有の赤い顔をあらわしている。
外国人客を意識したこのデザインは国内外で活躍するペインターMakoさんによるもの。

 雪猿は長野県の(株)玉村本店が造るにごり酒である。
玉村本店は1805年(文化2年)に創業した、約220年続く老舗である。
主銘柄は『縁喜(えんぎ)』であり、他にも『志賀高原ビール』が有名である。

 雪猿はスノーモンキーをイメージして、雪を連想させるにごり酒としている。
酒蔵のある地域は地獄谷温泉と、温泉に浸かる猿が有名。
雪が降る寒さのなか、温泉に入る猿は世界で唯一とされ、
海外ではスノーモンキーと呼ばれてとても人気がある。

・猿庫の泉(さるくらのいずみ)/喜久水酒造/長野県

猿庫の泉

https://kikusuisake.co.jp

 猿庫の泉に猿のイラストは描かれていない
描かれているのは崩した『猿』の文字である。
酔っ払っていると、初見でこの文字を『猿』と読むことはできないだろう。

 猿庫の泉は長野県飯田市にある喜久水酒造(株)が造る日本酒である。
1944年(昭和19年)に南信州飯田下伊那地域の37軒の酒造家が企業合同して、
下伊那酒造(株)が誕生した。
1951年(昭和26)年に社名を喜久水酒造(株)に変更する。
日本酒以外にも焼酎、果実酒、リキュールなども手掛けている。
『純米吟醸 猿庫の泉』は長野のGI認証を受けている

 猿庫の泉は、昭和の名水百選に選ばれている。
江戸時代から猿庫の泉の水は茶の湯に最適とされ、多くの茶人がこの地を訪れている。
猿庫の名前の由来ははっきりしていないが、喜久水酒造の引用を下記する。

今から六百年以上前、当時の飯田藩主が仏道に帰依し、入道後風越山麓に庵を建て円悟山正永寺と称したのでこの辺りを「円悟沢」と呼び、その後「えんご」を「猿庫」と書くようになり「さるくら」と呼ばれるようになったという説と、この辺りに猿が沢山住んでいた為、寺の家族が住む家「庫裏」にちなんで、猿の家族が住む沢という意味で「猿庫沢」と呼んだという説があります。
どちらにせよ沢山の猿たちは美味しい湧き水に引き寄せられてこの辺りを住み処にしていたのでしょう。

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・さるはし/鮎正宗酒造/新潟県

さるはし

https://ayumasamune.com

 さるはしのラベルには橋の手摺部分に座っている猿が描かれている。
つぶらな瞳で少し遠くをみている。
ニホンザルにしては尻尾が長く、アカゲザルかタイワンザルだろうか。

 さるはしは新潟県妙高市にある鮎正宗酒造(株)が造るにごり酒である。
鮎正宗酒造は1875年(明治8年)創業の、約150年続く酒蔵である。

 さるはしの名前は、酒蔵のある地名 猿橋に由来し、
酒蔵から500mほどの場所を流れる関川にかかる橋名が猿橋である。
猿橋の由来の一説が以下引用である。

「頸城の地名と姓氏」(石田耕吾著)などによると、旅をしていた僧侶が、大雨で橋が流されて関川を渡れず困っていた時、たくさんの猿が出てきて手をつなぎ合い、旅人を通してくれたという言い伝えが地名の由来だという。

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ビール

 ビールは以下を紹介する。

  • 箕面ビール
  • ライディーンビール

・おさるIPA/箕面ビール/大阪府

おさるIPA

https://www.minoh-beer.jp

 おさるIPAのラベルにはビールグラスを片手に座る猿のイラストが描かれている。
耳に付けたホップのアクセサリーが良いアクセントになっている。
グラスのビールはまだ減っていないので、これから飲むところなのだろう。
別の種類ではおさるの小物が変わっているので、見比べて楽しめる。

 おさるIPAは大阪府箕面市にある(株)箕面(みのお)ビールが造られる代表銘柄である。
箕面ビールは1996年(平成8年)に設立され、もうすぐ30年になる。
1994年の酒税法改正により、地ビールブームが始まった時期からの古株といえるだろう。

 以下引用がおさるIPAの名前の由来である。

野生の猿が住むことで知られる大阪府箕面市のブルワリー「箕面ビール」の王冠やラベルには「お猿さん」がキャラクターとして描かれていますが、こちらのビール元々は志賀高原で開催された「SNOW MONKEY BEER LIVE 2013」用の限定ビールとして醸造(イベント名の「MONKEY」とかけて命名)。当初はイベント限定ビールでしたが、多くの要望から現在は準定番商品として不定期醸造されることになりました。5種類のアメリカンホップを使用した、苦味と香りが特徴的な淡色タイプのIPAで、淡色モルトを使用することでキレも良く仕上がっています。発売当初からご好評の末、2020年より定番商品となりました。

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・ライディーンビール/八海醸造/新潟県

ライディーンビール

https://www.rydeenbeer.jp

 ライディーンビールのラベルには、白銀の毛並みをした猿が描かれている。
白銀の毛並み、赤い顔、ブルーの瞳が独特の印象を与える。
背景は八海山から西に延びる尾根の1つ猿倉山だろうか。
醸造所周辺に出没する猿をイメージしたイラストとのこと。
イラストは今井龍満氏によるもの。

 ライディーンビールは新潟県南魚沼市にある八海醸造(株)が造るビールである。
八海醸造の創業は1922年(大正11年)であり、100年以上の歴史がある。
清酒『八海山』は新潟を代表する銘柄である。
酒造りは清酒から焼酎、ビール、ウイスキーへと広がり続けている。

 以下引用がライディーンビールの由来である。

ブランド名の「ライディーン」の由来は仕込み水である地元・南魚沼の名水「雷電様の清水(らいでんさまのしみず)」です。霊峰八海山の山麓より湧き出るこの岩清水は1日400トンもの豊富な水量を誇り、清らかな極軟水です。「雷電様」という名前は、その昔、落雷の被害に度々あった地元の住民が、岩清水の湧き出るこの地に雷電様を祀ったことから由来します。

焼酎

 焼酎は以下を紹介する。

  • 山猿(やまさる)
  • 赤猿(あかざる)
  • 男猿(おとこざる)
  • 猿川(サルコー)

・山猿(やまさる)/尾鈴山蒸留所/宮崎県

尾鈴山 山猿

https://osuzuyama.co.jp

 山猿のラベルには小さく猿のイラストが描かれている。
ラベル左上のほうに四足歩行でこちらを向いている
尻尾が短いことからニホンザルだろう。
限定品の銅釜蒸留には、ポットスチルのラインアームにぶら下がる猿が描かれている。

尾鈴山 山猿 銅釜蒸留

 山猿は宮崎県にある尾鈴山蒸留所が造る麦焼酎である。
黒木本店の別蔵として尾鈴山蒸留所が開設されたのは1998年であり、四半世紀を迎える。
(株)黒木本店は1885年(明治18年)創業の焼酎蔵である。
現在は焼酎で磨いた蒸留技術を活かしてウイスキーも造り始めている。

 名前の由来は不明だが、蒸留所がある児湯郡では猿が多いのだろうか。
山シリーズとして、芋焼酎の山ねこ米焼酎の山翡翠(やませみ)がある。

・赤猿(あかざる)/小正醸造/鹿児島県

赤猿猿シリーズ

https://www.komasa.co.jp

 赤猿のラベルに猿のイラストは描かれていない
赤猿、黄猿、白猿、黒猿の猿シリーズの書体は同じで色違いである。

 猿シリーズは鹿児島県の小正醸造(株)が造る焼酎である。
小正醸造(株)の創業は1883年(明治16年)であり、150年以上の歴史を持つ。
焼酎以外にジンウイスキーなども手掛けている。

 以下引用が赤猿の名前の由来である。

人語を理解し、赤い顔をした人間のような容姿で酒を好むとされている伝説上の動物「猩猩」。大型類人猿として知られるおり、七福神の一人として入った時期もあると言われています。「王様」のような酒質の焼酎を伝説の猿が飲んだらどうなるだろう?赤い顔をしてもっと飲みたいと言うのではないだろうか。小正醸造の焼酎造りに対するあくなき挑戦、そして情熱を重ね伝説の猿が好むような「王様」の酒質に「赤猿(あかざる)」と名づけました。

 赤猿は紫芋の王様と呼ばれる「農林56号(パープルスィートロード)」を使用した芋焼酎
赤猿を筆頭に、黄猿、白猿、黒猿が展開されている。

 黄猿は焼酎芋の代表格である「黄金千貫」を完熟させてものを使用した芋焼酎
さらに黄麹を使っていることから黄猿としたのだろう。

 白猿はワイン酵母を使用した麦焼酎
さらに白麹を使っていることから白猿としたのだろう。

 黒猿はかめ壺で仕込んだ芋焼酎
黒麹を使っていることから黒猿としたのだろう。
次は何猿なのか、楽しみである。

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・男猿(おとこざる)/南国酒造/鹿児島県

男猿

http://www.nangoku-liquor.com/imosyochu/haraguchi

 男猿のラベルには、猿座りをしているシルエットが描かれている。
肩ラベルに書かれた「言わざる聞かざるだまって飲むべし!」というセリフが、
猿のシルエットにしっくりくる。

 男猿は鹿児島県の南国酒造(株)が造るにごり芋焼酎である。
南国酒造の前身である原口酒造(株)の創業は1890年(明治23年)、130年以上の歴史を持つ。
2023年(令和5年)に社名を「農業生産法人 南国酒造株式会社」に変更した。

 男猿のシリーズは、『赤 男猿』『姫猿』があったが現在は終売となり、
在庫のみの販売である。
無濾過に近い状態で仕上げることで原料由来の風味、味わいを残す。
季節や温度によって、『焼酎の華』と呼ばれる旨み成分がにごりとして発生する。
昔ながらの頑固な造りが濃厚で骨太な味わいをもたらす。
そんな焼酎だから『男猿』と名付けたのだろう。

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・猿川(サルコー)/猿川伊豆酒造/長崎県

猿川サルコー

http://saruko.com/

 猿川のラベルに、猿のイラストは描かれていない
背景に描かれているのは蔵内を横切る清流「猿川」だろう。

 猿川は長崎県の壱岐島にある(株)猿川伊豆酒造で造られる壱岐焼酎である。
猿川伊豆酒造の創業は1903年(明治36年)であり、120年の歴史を持つ。

 以下引用が猿川の名前の由来である。

銘柄猿川(サルコー)は、この麦焼酎発祥地壱岐島の神水と弊場内を横切る清流の呼称で、透明で「アッサリ」とした口当たりの麦焼酎に相応しき名として広く江湖に膾炙(かいしゃ)して銘酒としています。

 猿川の河川名の由来はわからいないが、壱岐島には猿にまつわるものが多い。
島中に置かれた石猿群男獄神社の猿田彦命(さるたびこのみこと)猿岩、、、
しかし壱岐島に猿は生息していないとのこと。

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ワイン

 ワインはアッフェンターラーを紹介する。

・アッフェンターラー/ドイツ

アッフェンターラー

https://www.affentaler.de

 アッフェンターラーのボトルには猿の装飾が施されている。
ボトルにしがみつき、こちらを見つめている
描かれているのは尾長猿の一種のようだ。
ちなみにドイツを含むヨーロッパに野生の猿は生息していない

 アッフェンターラー(affentaler)は「猿の谷」を意味する。
ドイツ語のaffenが猿、talerが谷であり、英語ではモンキーヴァレーである。

 ワイナリーはドイツ南西の街シュツットガルトから、
さらに西にある町ビュール(Bühl)の北にある。
フランスとの国境近くである。

 アッフェンターラーは町のワイン生産者組合が生産している。
組合が1908年に設立し、125年以上の歴史がある。
当時の地域の名前はアヴェ(・マリア)ヴァレー(Ave Maria Tal)だった。
ブドウ畑の近くにある礼拝堂に多くの巡礼者が訪れたことから、
教会の鐘の音が聞こえるエリアをそう呼ばれていた。
Aveはドイツ語で「アフェ」と発音され、
猿を意味するAffeも「アフェ」と発音する。
Ave TalをAffe Talと変え、ワイン名をAffentaler(猿の谷)として、
モンキーボトルで販売を始めたのが1949年のことである。

ウイスキー

 ウイスキーはモンキーショルダーを紹介する。

・モンキーショルダー/スコットランド/ブレンデッドモルト

モンキーショルダー

https://www.monkeyshoulder.com/ja-jp

 モンキーショルダーのボトルには3匹の猿が装飾されている。
猿が乗っているのはボトルの肩(ショルダー)である。
落ちないように後ろ足にしっかり力を入れているようだ。
描かれているのは尾長猿の一種だろう。
ちなみにワインの項でも記述したが、欧州(英国含む)に野生の猿は生息していない

 以下引用がモンキーショルダーの名前の由来である。

かつてフロアモルティングが盛んだった頃、蒸溜所のモルトマンたちは、毎日大量の大麦を手作業でかき混ぜなければなりませんでした。
何度も同じ動きを繰り返すことが原因で、当時のモルトマンたちを悩ませていた肩の痛みを「モンキーショルダー」と呼んでいたそうです。
幸い現在は機械化が進み、手作業はほとんどなくなりましたが、肩を痛めながらもウイスキーの味を守り続けた往年のモルトマンへの敬意を表し、その名前を私たちの造るウイスキーに名付けました。

 モンキーショルダーはウィリアム・グラント&サンズ社がブレンド、販売している。
モンキーショルダーが誕生したのは2005年である。
ブレンドには会社が所有するスペイサイドの3つの蒸留所のモルト原酒が使用される。
グレンフィディックバルヴェニーキニンヴィである。
猿が3匹なのは3つの蒸留所のモルトマンをあらわしているのだろうか。

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ジン

 ジンはモンキー47を紹介する。

・モンキー47/ドイツ

モンキー47

https://monkey47.com

 モンキー47のラベルには、猿が植物を手にしているイラストが描かれている。
描かれているのは、名前の由来となった東インドに生息するアカゲザルだろう。
手にした植物はジンに使わるボタニカルの一種だろうが、
ジュニパーベリーの枝なのかは不明。

 モンキー47は2008年にドイツ南部の森シュバルツヴァルトで誕生する。
元英国空軍中佐のモンゴメリー・コリンズがドイツのシュバルツヴァルトに移住し、
ジンのレシピを作り上げた。
モンゴメリーは英国統治下にあったインドで1909年に生まれ、
戦後のドイツ復興の際にベルリン動物園の再建に助力する。
そこで東インドアカゲザルのマックスという猿のスポンサーになる。
時は経ち、シュバルツヴァルト出身のアレクサンダー・シュタインがモンゴメリーのレシピを見つけ、
アレンジを加えて現在のレシピを完成させる。
アレクサンダーはこのジンをモンゴメリーと猿のエピソードからモンキー47と命名する。
47はレシピに使われているボタニカルの数である。

 シュバルツヴァルトは「黒い森」の意味。
ドイツ語でシュバルツ(Schwarz)は黒、ヴァルト(Wald)は森。
ドイツ南西に位置し、西にはフランス、南にはスイスの国境がある。

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あとがき

 日本では昔から猿と縁が深い。
山に行けば猿と遭遇したり、地名や地域に根ざしているものも多い。
生活圏に猿が現れるとニュースになったりもする。
それだけ身近な存在なのである。
欧州では動物園に行った時くらいしか猿と接する機会はない。
お酒を飲みながら猿のことを考えるのも悪くないだろう。

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