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【養命酒】『薬膳酒認知度No.1』

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文字数:約4800文字

 養命酒の認知度はかなり高い。
しかし名前は知っているが、どのようなものか知らいないという人も多い。
ここでは、養命酒の効能、材料、つくり方、歴史などを紹介する。
養命酒がどのようなお酒なのか知ることができる。

薬用養命酒
https://www.yomeishu.co.jp/yomeishu/

養命酒は医薬品

 まず、『薬用養命酒』は生薬成分が溶け込んだ薬膳酒である。
お酒ではあるが、正確には一般医薬品として『第2類医薬品』に該当する。

 医薬品に該当するということは、
効能の有効性や安全性、品質などの審査をクリアしているということである。

●養命酒の効能

 養命酒は7つの効能を謳っている。

  1. 肉体疲労
  2. 冷え性
  3. 胃腸虚弱
  4. 食欲不振
  5. 虚弱体質
  6. 血色不良
  7. 病中病後の滋養強壮

 これらは2つの効果に集約される。
血行促進胃腸改善である。
主にこの2つの効果によって7つの効能が得られるのである。

肉体疲労

 肉体疲労というのは、十分な睡眠をとっても疲れが取れなかったり、
起床時に体が重かったり、体力の衰えを感じる症状である。

 要因としては、身体のエネルギー不足、疲労物質の蓄積、長時間の同じ姿勢など
さまざまなものが挙げられる。

 養命酒は全身の血行をよくすることで、体中にエネルギーを行き渡らせ、
疲労物質の蓄積を解消し、新陳代謝を活性化する。

冷え性

雪の結晶
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 冷え性は、夏でも指先、つま先が冷たかったり、
つねに手足が冷えを感じていたりする症状である。

 要因としては、血行不良、運動不足による筋肉量の低下、
水分の過剰摂取などがある。

 養命酒に含まれる生薬成分によって、血液の巡りを改善することで、
全身を体の中から温める。

胃腸虚弱

 胃腸虚弱とは胃腸の不調のことである。
具体的には、お腹をこわしやすかったり、少食だったり。
胃もたれや食欲不振、便秘も含まれる。

 原因として大きいのがストレスである。
ストレスによって胃腸が不調となり、
その不調がさらにストレスを生むという負のスパイラルとなる。

 養命酒の生薬成分が胃腸で吸収されることで、不調を解消し、
負のスパイラルを断ち切ることができる。

食欲不振

 食欲不振は、食が細くなったり、空腹でも食欲がわかなかったり、
食べたモノをもどしてしまったりする症状である。

 原因として多いのは消化器系の不調である。
よって、③胃腸虚弱と同様のことがいえるため、特筆すべきことはない。

虚弱体質

 虚弱体質は、体力がなく、寝込むことが多かったり、疲れやすかったり、
食が細くて痩せている人に多い。

 原因は食生活や生活習慣にあるとされる。

 養命酒は原因を解決するサポートをする。
生薬成分によって全身にエネルギーを満たし、活発に活動できる体勢を整えることで、
生活環境を変える手助けをする。

血行不良

血行不良
Steffen ErbeによるPixabayからの画像

 血行不良は顔色が悪いということであり、クマができやすかったり、
化粧ノリが悪かったりすることである。

 原因は血液の流れが滞ることにより、末端まで血液が届かず、
顔色がくすんだり、皮膚の薄い目の下にクマができたりする。

 養命酒は血行をよくすることで、全身に血液が行き渡り、
さらに生薬成分によって、新陳代謝を高めることで顔色がよくなる。

病中病後の滋養強壮

 病中病後の体力低下、食欲低下や、病気の回復が遅い、
治療後の消化機能低下などをサポートする。

 養命酒に含まれる自然由来の生薬が、体が持っている本来の治癒力を高め
滋養強壮を助ける。
また、液体で少量を摂取すればよいため、
丸薬や錠剤粉末などのような飲み込み時の失敗もない。

養命酒の素材

薬用養命酒 生薬
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 養命酒には本みりんをベースとして、14の生薬が使われている。

  1. 烏樟(ウショウ)
  2. 紅花(コウカ)
  3. 益母草(ヤクモソウ)
  4. 鬱金(ウコン)
  5. 地黄(ジオウ)
  6. 人参(ニンジン)
  7. 淫羊藿(インヨウカク)
  8. 芍薬(シャクヤク)
  9. 肉蓯蓉(ニクジュヨウ)
  10. 杜仲(トチュウ)
  11. 桂皮(ケイヒ)
  12. 丁子(チョウジ)
  13. 防風(ボウフウ)
  14. 反鼻(ハンピ)

 これらの生薬は作用によって4つに分類される。
巡らせる作用」「補う作用」「温める作用」「取り除く作用」である。

・巡らせる作用の生薬

 巡らせる作用の生薬は、烏樟、紅花、益母草、鬱金の4つである。

烏樟(ウショウ)

生薬 烏樟
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 クスノキ科の植物であるクロモジの幹枝。
高ぶった神経の鎮静作用健胃作用がある。
クロモジは高級爪楊枝として、加工される。

 養命酒製造はクロモジをクラフトジンのボタニカルの一種として使用している。
長年養命酒製造で培った生薬に関する技術をクラフトジンに応用したのである。

紅花(コウカ)

生薬 紅花
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 紅花はキク科の植物で、ベニバナのことである。
血行促進効果がある。
昔から染料として利用されている。

 1979年に番紅花(サフラン)に変わり紅花が使用されるようになった。

益母草(ヤクモソウ)

生薬 益母草
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 益母草はシソ科の植物であるメハジキの花期の地上部である。
「母に益をもたらす草」という名なのは、血行を促し月経を整えるなど、
婦人薬として古くから用いられてきたからである。

鬱金(ウコン)

生薬 鬱金
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 ショウガ科の植物である秋ウコンの根茎。
胃の調子を整えるほかに、肝臓の機能を助ける作用がある。
ターメリックとも呼ばれ、カレーのスパイスとして欠かせいない。

 1929年に追加された5つの生薬の内の一つ。

・補う作用の生薬

 補う作用の生薬は、地黄、人参、淫羊藿、芍薬、肉蓯蓉、杜仲の6つである。

地黄(ジオウ)

生薬 地黄
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 ゴマノハグサ科の植物であるアカヤジオウの根。
血を造る働きを助ける効果がある。
加工方法によって呼び名が変わる。
そのまま乾燥したものは「乾地黄」。
乾地黄に酒を加えて黒くなるまで蒸したものを「熟地黄」。
特に新鮮なものは「鮮地黄」。

 1977年に規那(キナ)やめて、芍薬と一緒に追加された。

-人参(ニンジン)

生薬 人参
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 ウコギ科の植物であるオタネニンジンの根。
朝鮮人参や高麗人参のこと。
消化器系や呼吸器系を活性化して免疫力を高める。
他にも強精、精神安定、坑疲労、坑ストレスなど多くの効果を持つ万能生薬
野菜のニンジンはセリ科なので別物。

-淫羊藿(インヨウカク)

生薬 淫羊藿
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 淫羊藿はホザキノイカリソウの地上部である。
強壮強精や筋肉、関節の痙攣に効果がある他、
健忘症、神経衰弱にも効く。

-芍薬(シャクヤク)

生薬 芍薬
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 シャクヤクの根の部分。
婦人病薬として、血行不良月経不順冷え性などに効果がある。
昔から美しい立ち姿を「立てば芍薬」と表現されており、
そう呼ばれるとおり可憐で美しい花を咲かせる。

 1977年に規那(キナ)をやめて、地黄と一緒に追加された。

-肉蓯蓉(ニクジュヨウ)

生薬 肉蓯蓉
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 砂漠地帯に生える植物の根に寄生する、ハマウツボ科の植物の肉質茎。
穏やかな滋養強壮作用があり、腸を潤す作用もある。
緩やかに身体を回復させる。

-杜仲(トチュウ)

生薬 杜仲
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 夏緑広葉樹である杜仲の木の樹皮。
腰や膝の痛み高血圧排尿困難などを改善する。
近年、トクホとしての杜仲茶などが注目されている。

・温める作用の生薬

 温める作用の生薬は、桂皮、丁子の2つである。

-桂皮(ケイヒ)

生薬 桂皮
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 桂皮の樹皮部分、または周皮。
スパイストして有名なシナモンのこと。
血の巡りをよくする効果があり、冷え性、肩こり、関節痛、月経痛などに効く。
また、発汗解熱作用もあり、風邪予防や初期症状に効果がある他、健胃作用もある。

丁子(チョウジ)

生薬 丁子
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 チョウジのつぼみ部分。
英語名クローブのほうがスパイスとして馴染み深い。
健胃作用殺菌・鎮静作用、血行促進作用がある。

 1929年に追加された5つの生薬の内の一つ。

・取り除く作用の生薬

 取り除く作用の生薬は、防風、反鼻の2つである。

-防風(ボウフウ)

生薬 防風
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 セリ科の植物であるボウフウの根、根茎。
発汗解熱作用があり、風邪予防に使われる。
他にも鎮痛作用や消炎作用もある。
お正月に飲まれるお屠蘇の生薬にも使用される。

反鼻(ハンピ)

生薬 反鼻
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 蝮(マムシ)の皮。
強壮強精作用、解毒作用のほか、疲労回復冷え性改善などの効果がある。
昔からマムシ酒はよく知られており、
最近の栄養ドリンクにも反鼻が配合されているものがある。

・当初の生薬は8種類だった

 養命酒の歴史は400年以上あるのだが、
創製されてから1877年(明治10年)までの250年くらいの間は、
8種類の生薬が使われていた。
わかっているのは朝鮮人参、杜仲、桂枝の3種

 その後組み合わせを変えたりしながら、
1929年(昭和4年)に5種が追加されて13種類になる
5種のうち2種は丁子と鬱金であるとされている。

 そして1977年(昭和52年)に行政指導のあった規那(キナ)をやめた代わりに、
地黄と芍薬が追加
、14種となった

 1979年(昭和54年)には番紅花(サフラン)が紅花に変わり、現在のレシピとなる。

養命酒のつくり方

養命酒製造
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 養命酒をつくっているのは養命酒製造(株)である。
養命酒製造ではベースとなる本みりんから自社で製造している。

 蒸したもち米に麹を加えて、糖化させる。
そして酵母の働きによって、アルコール発酵が行われる。
できあがった醸造液を熟成させることで、ベースとなる本みりんが完成する。

 各地から届いた生薬は温湿度の管理された部屋で保管される。
使用時は、決められた大きさに砕かれ、袋に詰められる。
養命酒の効能に直結する配合は厳密に守られ、間違いなく調合される。

 袋詰めされた生薬は、みりんやアルコールに漬けられる。
生薬エキスの抽出は約1か月かけて行われる。
その後、ブドウ糖とカラメルを加えて、
一定の濃さになるまでさらに1ヵ月が費やされる。

 できあがった液体は濾過されてから、タンクに移し替えられる。
味や成分など多くの検査が行われ、それらをクリアして、瓶詰、箱詰めがされて完成となる。

養命酒の歴史

 養命酒の創製は1602年(慶長7年)とされている。
現代から420年以上も前の話である。

 養命酒は信州伊那の谷 大草(現在の長野県上伊那郡中川村大草)の
塩沢家当主 塩沢宗閑によって創製されたとされる。

養命酒雪の中で老人を助ける
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 ある大雪の夜、宗閑翁は雪の中に倒れている老人を救う。
その老人を塩沢家で介抱し、食客として養う。
3年後、老人が旅立つ時に恩返しとして薬膳酒の製法を伝授した。
塩沢宗閑がその製法を基に、1602年につくり上げたのが養命酒なのである。

 養命酒の評判は村から信州全域に広がり、
徳川家康が幕府を開いた時に養命酒を献上したとされる。
「信濃風土記」には幕府から「天下御免萬病養命酒」と免許され、
霊薬の象徴として「飛龍」の使用が許されたと記されている。
この「飛龍」は日本最古の商標の1つとせており、
現在のパッケージにもデザインされている。

養命酒 飛龍
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 1813年(文化10年)には尾張藩主が養命酒の製法をたずねたとする資料も残っている。
その資料によると、養命酒ができあがるまでに2300日かかることや、
製法は一子相伝であることなどが記されている。
2300日は6年3ヵ月であり、現在の製造期間は2ヵ月である。

 養命酒の製造は塩沢家が家業として行ってきたが、
養命酒を全国の人に届けるため、1923年(大正12年)に「株式会社天龍館」を創設する。
すぐに全国で売れたわけではなく、地道な営業と、
広告宣伝によって、徐々に知名度を高めていく。
1929年(昭和4年)には生薬を5つ追加して計13種で、時代に合った効能を提供する。
1951年(昭和26年)に商号を「養命酒製造株式会社」へと改称する。

 生薬の変更は1977年(昭和52年)に行政指導のあった規那(キナ)をやめ、
代わりに地黄と芍薬を加えた。
さらに1979年(昭和54年)に番紅花(サフラン)を紅花に変更する。
これで現在の養命酒に使われている生薬となる。

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あとがき

 薬膳酒といえば養命酒というほどの知名度がある。
養命酒の利用者は幅広いが、やはり60歳以上が大半である。
会社は養命酒ののど飴を製造したり、生薬の技術と知識を生かして、
ハーブリキュールやクラフトジンも製造している。
より多くの世代へのアピールも抜かりないようだ。

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