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『こんなにも種類がある!』柑橘系リキュール特集(はっさく、ぶんたん、すだち、かぼす、いよかん、、、)

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◆レモン(檸檬)

レモン
Paolo TrabattoniによるPixabayからの画像

 レモンの原産地はインドからヒマラヤ西部にかけてだとされている。
日本には、明治のはじめ頃に熱海に伝わったといわれている。

 レモンが酸っぱいことは誰もが知っているが、さまざまな方法で食されている。
果汁の利用、果皮を使ったアクセントなど
カクテルにもレモンピールやスライス、くし切りなどでよく使われる。
果肉は酸っぱいのでそのまま食べることは稀である。

・リモンチェッロ アマルフィ/イタリア産(プロフーミ・デッラ・コスティエーラ)

プロフーミ・デッラ・コスティエーラ
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 地中海に面するイタリアのアマルフィ産レモンを使用したリキュール。
リモンチェッロはイタリアで家庭の味としてつくられるレモンリキュールのこと。
さわやかなレモンの香りが広がり、口に含むと強めの甘味とやや酸味を感じる。
度数が高いのでソーダで割ると甘さもちょうど良くなる。

容量700ml
ベーススピリッツ
度数32%

◆ライム

ライム
Johanna PakkalaによるPixabayからの画像

 ライムもレモンと同様に原産地はヒマラヤ地方とされている。
日本でライムが栽培され始めたのは20世紀の半ばを過ぎた頃からである。

 レモンよりも酸味は弱く、特有の苦味があり、キリッとした味わい
そのまま食することは少なく、果汁や香りづけなどに使用される。

 ライムを使用したカクテルは多く、味を引き締めるのにライムは最適である。

・キングストン ライムリキュール/スイス産(ディヴィサ社)

 100年以上の歴史と持つスイスのディヴィサ社が手掛けるライムリキュール。
ライム果汁の酸味と、果皮の苦味をバランスよく仕上げられている。
スッキリ飲みたい時はソーダで割っても良い。
また、カクテル材料としても申し分ない。

容量700ml
ベーススピリッツ
度数24%

◆シークヮサー

シークヮサー
hartono subagioによるPixabayからの画像

 シークヮサーは沖縄県北部で昔から親しまれてきた柑橘である。
見た目や大きさはかぼすに似ているが、
味わいはかぼすよりも酸味、苦味が少なく、渋味を強く感じる
酸味が少ないので、熟せばそのまま食べることもできる。

 名前の由来は、沖縄の言葉で「シー」は「酢、酸っぱいもの」、
「クヮスン」は「食わせる、食べ物」の意味で、「酢食わし」となる。

・シークヮサーリキュール/菊之露酒造()

菊之露
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 沖縄県宮古島にある酒蔵 菊之露酒造(株)がつくるリキュール。
自社の泡盛である菊之露にシークヮサーの果汁を加えてつくられる。
シークヮサーと泡盛が絶妙にマッチしている。

容量720ml
ベース泡盛(菊之露)
度数10%

◆バレンシアオレンジ

バレンシアオレンジ
Guillermo de CasanovaによるPixabayからの画像

 日本で出回っている三大定番品種のひとつ。
バレンシアとはスペインの地方名だが、原産地はアメリカである。
スペインのバレンシア地方の柑橘に似ていることからバレンシアと呼ばれた。
つまり、バレンシアオレンジとスペインのバレンシア産オレンジは別ものである。

 バレンシアオレンジは収穫までに400日かかり、
温州みかんが150~200日で収穫できるのに対して、とても時間がかかる。

 日本で売られているものはほとんどがアメリカやオーストラリアなどの海外産
日本での栽培はほぼ100%和歌山県が行っているが、とても希少。

 甘味と酸味のバランスが良く、そのまま食べられる
また、果汁も多く含んでいるため、ジュースにされることも多い。

THE HERBALIST YASO GIN ORANGE()越後薬草

 新潟県にある(株)越後薬草が手掛けるクラフトジン。
ボタニカルにバレンシアオレンジとネーブルオレンジのピールを使用。
フェンネルやクローブなど合計12種類ボタニカルが、オレンジの香りを引き立てる。
ジュニパーとオレンジの香りが楽しめる。

容量700ml
ベーススピリッツ
度数45%

◆ネーブルオレンジ

ネーブルオレンジ
RalphによるPixabayからの画像

 日本で出回っている三大定番品種のひとつ。
ネーブルとは英語で「おへそ」の意味
果頂部にくぼみがあることからネーブル(おへそ)と呼ばれるようになった。

 原産地はブラジルであるが、アメリカに伝わった後、世界中に広まった。
日本には19世紀後半に伝わり、国内生産量No.1のオレンジ

 味わいはバレンシアオレンジよりも酸味と甘味が濃い
種がほとんどなく食べやすいが、果汁は苦味が出やすく劣化が早い。

Bar ヨー子 ネーブルオレンジサワーリキュール/盾の川酒造()

盾の川酒造
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 山形県の酒蔵 盾の川酒造(株)が手掛ける「Bar ヨー子」シリーズの一品。
ネーブルオレンジ果汁を48%使用。
オレンジの甘味と酸味に加えて、純米大吟醸ののほのかな香りも感じられる。

容量720ml
ベース醸造アルコール、日本酒(純米大吟醸)
度数14%

◆ブラッドオレンジ

ブラッドオレンジ
dmarr515によるPixabayからの画像

 日本で出回っている三大定番品種のひとつだが、果肉が赤いオレンジの総称である。
原産地はイタリアであり、地中海品種の突然変異とされている。
日本での生産は99%が愛媛だが、量が少ない。
普段見かけるものはほぼ外国産である。

 ブラッドとは「血」を意味し、果肉の色が赤いことに由来する。
この赤さは天然色素(フラボノイド)であるアントシアニンによるもの。
抗酸化作用が期待できる。
柑橘類ででアントシアニンを持つのはブラッドオレンジだけ。

 甘味と酸味がはっきりしており、芳醇な香りを放つ
種が少ないので、生食に適している。
赤い果肉は見た目にインパクトがある。

・ブラッドオレンジ・リケール/ドイツ産(マリエンホーフ社)

マリエンホーフ
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 ドイツのマリエンホーフ社がつくるブラッドオレンジのリキュール。
素材を厳選し、砂糖やカラメル、着色料を一切使わず、丁寧に仕上げている。
エキス分は18%未満使用。
ブラッドオレンジの甘味と酸味のバランスが絶妙であり、上品さを感じる。

容量350ml
ベース???
度数20%

◆ベルガモット

ベルガモット
Alongkorn TengsamutによるPixabayからの画像

 ベルガモットと聞くとアロマオイルで有名だが、柑橘系の果物である。
紅茶のアールグレイの香り付けに使われている。
ベルガモットオイルの香りに似ていたため、同じ名前が付いたシソ科のハーブがある

 ベルガモットは苦味が強いため、食用には適さない
香り付けの用途が主である。

 原産地はイタリアであり、ブンタン、シトロン、マンダリンの交雑種とされている。
温暖な気候で栽培されるベルガモットだが、近年日本でも栽培されるようになってきた。

・イタリカス ベルガモットリキュール/イタリア産

ITALICUS(イタリカス)
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 イタリア産のベルガモットリキュール。
100年以上前から伝わるレシピでつくられている。
イタリア産のベルガモットビールの他に、ラベンダーやローズマリーなども使われている。
柑橘系のさわやかな香りと、少し苦味のある薬草の味わいが楽しめる。
ストレートやロックで飲んでも良いし、カクテルに使用しても良い。

容量700ml
ベースグレーンスピリッツ
度数20%

◆グレープフルーツ

グレープフルーツ
Dan IvanovによるPixabayからの画像

 グレープフルーツの原産地は西インド諸島のバルバドス島である。
主要な生産地はアメリカ、南アフリカ共和国、メキシコなど。
日本でも栽培できるが、環境条件的にかなり難しい。
普段見かけるものはほぼ海外産である。

 名前の由来は1本の枝にたくさんの実をつけること様子が、
ブドウ(グレープ)の房に似ているためグレープフルーツと呼ばれるようになった。

 果肉が黄色いものと赤いもの(ピンクグレープフルーツ)がある。
赤いものはトマトに多く含まれるリコピン色素によるもの。

 酸味と苦味のバランスが良く、そのまま食したり、搾ってジュースにしたり、様々な用途がある。

・ヴェドレンヌ クレーム・ド・ピンクグレープフルーツ/フランス産

ヴェドレンヌ
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 ヴェドレンヌ社はフランスのブルゴーニュ地方で100年以上続くメーカー。
様々なリキュールを製造しており、ピンクグレープフルーツもその一品。
グレープフルーツのさわやかな香りと、酸味と苦味のバランスの良い味わいが特徴。
エキス分は34%使用。

容量700ml
ベース???
度数15%

柑橘系の分類

 お酒とは別の話になるため、参考程度に記述する。
柑橘類の分け方はいくつかあるが、ここでは一般的な農業での分類を紹介する。
柑橘類と呼ばれることがあるのはミカン科ミカン亜科の3つの属である。
カンキツ属(ミカン属)、キンカン属、カラタチ属である。

  • カンキツ属(ミカン属):柑橘類と呼ばれる果物はほぼここに属し、
               さらに細かく種類分けされる。
     -みかん類:一般的に「みかん」と呼ばれるもの。
       [温州みかん、紀州みかん、橘(タチバナ)、
        柑子(コウジ)、ポンカン]
     -オレンジ類:一般的に「オレンジ」と呼ばれるもの。
       [バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、
        ブラッドオレンジ、ベルガモット、橙]
     -グレープフルーツ類:一本の枝に多数の実をつけるもの。
       [グレープフルーツ]
     -タンゴール類:みかん類とオレンジ類の交雑種。
             みかんの英名tangerineの「tang」と
             オレンジorangeの「or」を
             合わせてタンゴール「tangor」と呼ばれる。
       [タンカン、不知火、きよみ、はるみ、せとか]
     -タンゼロ類:みかん類とブンタン類(ザボン類)の交雑種。
            みかんの英名tangerineの「tang」と
            ブンタン(ザボン)の英名pomeloの「elo」を
            合わせてタンゼロ「tangelo」と呼ばれる。
       [タンジェロ、セミノール、ミネオラ、スイートスプリング]
     -香酸カンキツ類:香りや酸味が強く、
              料理の香りづけやアクセントに使われるものの総称。
              系統分類ではなく、用途分類のため重複するものもある。
       [レモン、ライム、ゆず、かぼす、すだち、
        へべす、じゃばら、シークヮサー、橙]
     -ブンタン類(ザボン類):皮が厚く、実が大きいもの。
       [ブンタン(ザボン)、バンペイユ(晩白柚)、ユコウ(柚柑)]
     -雑柑類:自然交雑種の総称。
       [はっさく、いよかん、夏みかん、甘夏、日向夏]
  • キンカン属:皮が厚く、実が小さく、子房の室数が少ないもの。
       [キンカン(金柑)]
  • カラタチ属:長く鋭いトゲを持ち、柑橘類の台木として利用される。
          果実は酸味、苦味が強く、食用に向かず、薬用として利用される。
       [カラタチ(枳、唐橘)]

柑橘系のイメージマップ

 2014年の日本貿易振興機構(JETRO)の味覚嗜好性調査データ(柑橘系果実)を基に、
味のイメージマップを作成した。
リキュールにした場合、ベースや度数や加糖により大きく影響を受けるため、
また、生産地や収穫時期、収穫年によっても違いがでるため、あくまでも参考である。

柑橘類のイメージマップ

あとがき

 今回はリキュールを特集したが、他にもたくさんある。
クラフトビールや発泡酒、チューハイなどなど。
地域の特産品を加工品として活かす試みの一つがお酒にすることである。
柑橘系とお酒の相性は良いため、うまく加工すれば特産品の特徴を最大限発揮できる。
柑橘類は新たな品種改良が進められており、お酒との関わりから目が離せない。

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