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プレミアムテキーラ【フォルタレサ】

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文字数:約3200文字

 フォルタレサ、それはサウザの血脈を受け継ぐテキーラ。
テキーラの名門サウザ家の5代目が、伝統製法で造り上げたブランドがフォルタレサである。

 品質重視の少量生産だが、日本でも見かける機会は増えており、認知度が高まっている。
こだわりの伝統製法で造られるプレミアムテキーラであるフォルタレサを紹介する。

フォルタレサ
https://tequilafortaleza.com/

フォルタレサの基本情報

  • 英 字 :Fortaleza
  • 創業年 :1999年(販売は2005年)
  • 創業者 :Guillermo Erickson Sauza(ギレルモ・エリクソン・サウサ)
  • 創業地 :ハリスコ州パジェス
  • 製造販売:TEQUILA FORTALEZA
  • 日本取扱:(株)ウィスク・イー
  • NOM   :1493

 フォルタレサ Fortaleza はスペイン語であり、
精神的な強さ、不屈の精神』を意味する。

 本国メキシコでは『LOS ABUELOS』のブランド名で販売されている。
LOS ABUELOSは祖父母の複数形であり、
ここでは「おじいちゃんたち」と訳すのが適当だろう。

フォルタレサロス アブエロス
https://tequilafortaleza.com/

 このLOS ABUELOSというブランド名は、
アメリカでは既にラムのブランド名として使われていたため、
蒸留所名の『FORTALEZA』を使用することになった。
フォルタレサ蒸留所は3代目のフランシスコ・ハビエル・サウサが建てた。

 ちなみに、『SAUZA』は日本で「サウザ」と読まれているが、
本来は「サウサ」が正しい。

サウザ家5代目が造る

 テキーラを飲む人でサウザを知らない人はいないだろう。
テキーラ業界の名門であり、テキーラの普及にも大きく貢献したのである。

 現在、サウザブランドはサウザ家の手を離れている
1976年に3代目のハビエル・サウサが病により、事業継続が困難となったため、
3つの蒸留所のうち2つと、サウザブランドを売却したのである。

 5代目にあたるギレルモ・サウサは当時20歳だった。
テキーラ造りの思いはくすぶり続けるなか、年月が過ぎ、1999年に決意を固める。
サウザ家は残った唯一の蒸留所を博物館として所有していた。

 ギレルモはこの博物館を時間をかけて蒸留所に戻す。
そして2005年にようやく5代目としてのテキーラを販売したのである。
原料であるアガベの球茎ピニャを象ったボトルキャップが特徴的。

フォルタレサ ボトルキャップ
https://tequilafortaleza.com/

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フォルタレサのこだわり

 フォルタレサのこだわりはなんといっても、製造方法にある。
伝統的な製法にこだわり、初代、2代目、3代目が造り上げてきた味を踏襲している。

 テキーラの製造工程は以下の通りである。
フォルタレサも一般的なテキーラと基本は同じである。

  1. 栽培・収穫
  2. 加熱・搾汁
  3. 発酵
  4. 蒸留
  5. 熟成
  6. 瓶詰め

・加熱

フォルタレサ マンポステラ
https://tequilafortaleza.com/

 加熱は昔ながらのレンガ造りの石窯(マンポステラ)
36時間かけてゆっくりと熱を通す。
さらに取り出すために熱が自然に冷めるまで24時間かかる。
圧力をかけて短時間で加熱する現代的な手法は使わない。

・搾汁

フォルタレサ タオナ
https://tequilafortaleza.com/

 搾汁では、巨大な石の車輪(タオナ)を使う。
一昔前はロバに石臼を引かせていたが、現在はトラクターで引いている。
粉砕時間は5~6時間。
タオナは時間と労力がかかり効率が悪いが、雑味を出さずに搾汁できる。
現代の主流であるローラーミルは繊維まで潰してしまうため、雑味が出てしまう。

 この石の車輪はフォルタレサブランドの象徴するものであり、
ラベルマークとしてしっかりと描かれている。
フォルタレサにとって重要な工程であることを意味している。

フォルタレサ タオナイラスト
https://tequilafortaleza.com/

・発酵

 発酵に使う酵母はサウザ家に伝わるものを使う。
発酵槽は木製で、屋外に設置されている。
酵母の働きに任せて、4日ほどかけて発酵をすすめる。

・蒸留

 蒸留は100年以上経過した年代物の銅製小型ポットスチル
2回の蒸留によってアルコール度数46%のスピリッツを得る。
他社のテキーラや、他の蒸留酒ではもっと高く、70%まで高めることもある。
アルコール度数が高いと加水する量が増える。
フォルタレサは原料であるアガベ本来の味わいを大事にしているため、
加水は少量にとどめている。

・無添加

 テキーラの規定には添加物を1%まで加えることができる。
味のバラツキを抑えたり、色を調整したりするためである。
これはテキーラに限らず、他のスピリッツでも行われている。

 フォルタレサでは添加物を一切加えない。
ゆえにロットごとに若干の差が出る。
そのためボトルにはロットナンバーが記載されている。

フォルタレサ製品ラインナップ

 フォルタレサでは4種の定番品と、冬季限定品を製造している。
冬季限定品は発売するとすぐに完売するほどの人気がある。
以下が、ラインナップと参考価格(税込)、アルコール度数である。
すべて750ml。

  • フォルタレサ ブランコ           40% ¥ 9,500
  • フォルタレサ ブランコ スチルストレングス 46% ¥11,500
  • フォルタレサ レポサド           40% ¥10,500
  • フォルタレサ アニェホ           40% ¥15,500

 製品ごとにラベルに描かれているイラストが違う
限定品も含めて、蒸留所に関連するイラストを眺めるのは楽しい。

・フォルタレサ ブランコ

フォルタレサ ブランコ

 熟成のないテキーラなので、原料であるアガベ本来の味わいを堪能できる
蒸留後のアルコール度数46%に加水して40%にすることで、
アガベの風味を活かしつつ、飲みやすさを実現した。

・テイスティングノート
 色  :自然な透明色
 香り :濃厚なアガベ、柑橘類、バター、オリーブ、ほのかに土っぽい
 味わい:アガベ、柑橘類、バニラ、オリーブ、バジル
 ラベル:蒸留所の入口と、その両脇にある石の車輪が描かれている

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・フォルタレサ ブランコ スチルストレングス

フォルタレサ ブランコ スチルストレングス

 熟成なし、加水なしのブランコ。
原料であるアガベをダイレクトに感じることができる。
混じりっ気なしの純粋なアガベスピリッツ
アルコール度数が46%なので、力強く、飲み応えがある

・テイスティングノート
 色  :自然な透明色
 香り :芳醇なアガベ、グリーンオリーブ、柑橘類、黒コショウ、土っぽい
 味わい:アガベ、バター、柑橘類、若草
 ラベル:2台の小さな蒸留器と、2匹の犬(サンディとチョコ)が描かれている
     愛犬家のギレルモ氏は、ストリートドッグを引き取っている

・フォルタレサ レポサド

フォルタレサ レポサド

 リチャー(焼直し)した中古のアメリカンオーク樽で7カ月間熟成
樽由来の色味と風味による絶妙なバランス
アガベを残しつつ、樽からの恩恵も得られている。

・テイスティングノート
 色  :淡い麦わら色
 香り :アガベ、グレープフルーツ、バニラ、キャラメル、リンゴ、スパイス
 味わい:煮たアガベ、バター、キャラメル、ややオイリー
 ラベル:ロバが石の車輪を引く伝統製法タオナの作業風景が描かれている

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・フォルタレサ アニェホ

フォルタレサ アニェホ

 リチャー(焼直し)した中古のアメリカンオーク樽で18カ月間熟成
樽由来の風味がより深くアガベと混じり合った極上の味わい
チューリップ型のグラスでゆっくりと味わいたい逸品。

・テイスティングノート
 色  :琥珀色
 香り :煮込んだアガベ、バニラ、キャラメル、バタースコッチ、パイナップル、ナツメグ
 味わい:煮たアガベ、キャラメル、バタースコッチ、トフィー、オイリー
 ラベル:サウザ家に受け継がれるアガベ農園が描かれている

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あとがき

 昔ながらの製法で造られるテキーラは多くない。
経営を維持するためには現代的な製法で効率を上げなければならない。
しかしフォルタレサは時代に逆行することで、独自性を武器にしている。
少量生産ながらも、その味わいに多くの人が惹かれてファンになっている。
フォルタレサが好みの人には、メスカルが好みに合うことだろう。
メスカルも伝統製法、少量生産であり、類似点が多い。
分類上はテキーラもメスカルの一部に属するのだから、納得の話しである。

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