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日本酒には白く濁ったものが数種類ある。
どぶろくを含めて、白く濁ったお酒の種類は下図となる。
●どぶろく(濁酒)
どぶろくとは、もろみを上槽(搾り)せずにそのまま製品化したもの。
ゆえに、もろみ酒とも呼ばれる。
お米の風味と粒感が残っていて、とろみもある。
上槽はもろみを酒と酒粕に分ける工程であり、
この工程を通してはじめて清酒(日本酒)を名乗る資格が得られる。
日本酒はもろみを濾すことが定められている。
よって、どぶろくは清酒(日本酒)と異なる分類になる(その他の醸造酒)。
どぶろくは清酒よりも以前から造られているお酒であり、
昔の日本ではどぶろくのようなお酒が飲まれていた。
現在の日本酒の起源となるお酒である。
●清酒のにごり
どぶろくと清酒は違うものということだが、
清酒の中でもどぶろくのようににごりを持ったものがある。
お酒の中に酵母が残っているので、発泡性のあるものが多い。
・にごり酒
上槽(搾り)を目の粗い布で行ったもの。
もろみの中の固形物(溶けきっていない米や酵母など)が目を通過して、
お酒の中に混じったもの。
・おりがらみ
うすにごり、ささにごり、かすみ酒ともいう。
おり引き工程でおりを混ぜたもの。
上槽されたものは静置されて、おりを沈殿させる。
通常は上澄みのみを取り出すが、おりをあえて混ぜることで、
フレッシュ感と独特の風味を残す。
・無濾過(むろか)
おり引きされたものにはまだ、微細なおりが残っている。
濾過工程では細かいおりや酵母も完全に取り除く。
濾過することで、香りや風味がすっきりしてしまうので、
濾過をしないものが無濾過である。
・甘酒
甘酒の造り方は二つある。
①米麹をお粥に入れて造る
②酒粕をお湯に溶かす
ここでは②の話で、上槽で分離した酒粕を使うことで、濁った状態になる。
酒粕にはとても栄養価があり、『飲む点滴』と言われるほどで、
アミノ酸やビタミン群が本物の点滴と同様に含まれている。
また、酒粕にはアルコールが含まれているので、運転など気を付ける必要がある。
お湯で溶かすときにアルコールは全て飛び切らずに残ってしまう可能性がある。
●あとがき
どぶろくの食感は清酒にはない面白さだと思う。
まずはどぶろくがどのようなものかを飲んでみることである。
政府の構造改革特別区域法で「どぶろく特区」に認定される市町村が全国で増えている。
どぶろく特区に訪れることがあれば、ぜひどぶろくを堪能していただければと思う。