文字数:約800文字
日本酒の生産量は年々減少している。
国税庁のデータからもはっきりと示されている。
『酒のしおり(令和3年3月)』で以下のように書かれている。
清酒の課税移出数量は昭和48年度 のピーク時(177万KL)から令和元年度には 3割以下の46万KLまで減少しています。清酒の課税移出数量をタイプ別に区分し て見ると、普通酒については減少傾向にあ りますが、純米酒及び純米吟醸酒について は、平成20酒造年度の8.2万KLから令和元酒 造年度は10.1万KLと23.2%増加しています。
酒のしおり(令和3年3月)
データを編集したものが下の表とグラフになる。
確かに、2009年度と比較して純米系が増加していることがわかる。
普通酒は減少、本醸造酒も減少、吟醸酒はほぼ横ばいという感じだ。
アルコール添加を拒む傾向が出てきているようだ。
国税庁の言う、高付加価値商品の需要ということなのだろう。
気になるのが純米系でも2017年度から微減している点である。
最新のデータを待つしかないが、2020年度以降はコロナの影響が反映されるため、
動向を読みとくのは難しくなる。
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●あとがき
データには大吟醸や純米大吟醸が出てこないが、
おそらく吟醸酒や純米吟醸酒に含まれているのだろう。
清酒全体で見るとやはり減少傾向にあるのは確かだが、
高付加価値の純米系が伸びているからと言って、楽観視はできない。
他の酒類と清酒がシェアを争っても国内のパイは限られている。
国税庁が推し進めている海外展開がカギとなる。
国の支援や協力を得やすい今だからこそ、海外市場に踏み出す好機なのではないかと思う。