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焼酎の定義と分類

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文字数:約1800文字

 焼酎の分類は、連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎に分けられる。
少し前までは甲類、乙類とされていた。
現在の定義を見てみよう。

●定義

焼酎ロック
https://www.photo-ac.com/profile/2924342

 酒税法では以下のように定義されている。

また、国税庁では以下のように書かれている。

アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満、
B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下
のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。

また、Aに該当するものを連続式蒸留焼酎、Bに該当するものを単式蒸留焼酎に区分しています。

国税庁

つまり、このようになる。

区分定義
連続式蒸留焼酎アルコール含有物を連続蒸留機で蒸留したもので、アルコール分が36度未満
単式蒸留焼酎アルコール含有物を単式蒸留器で蒸留したもので、アルコール分が45度以下
不可原料 および 製法該当
発芽させた穀類(麦芽など)ウイスキー
果実(ブドウ、リンゴ、チェリーなど)
 (ただし「ナツメヤシの実」は除く)
ブランデー
フルーツブランデー
含糖質物(砂糖、糖蜜、蜂蜜など)
 (ただし、奄美の黒糖焼酎用の黒糖は除く)
ラム
ジュニパーベリー(杜松(ねず)の実)ジン
蒸留寺にジュニパーベリーを加え、香り成分を浸出させたものジン
白樺の炭などで濾過したものウォッカ

上記以外の原料には制約がなく、
デンプンが含まれていれば、固体・液体を問わず、たいていの原料で焼酎は造れる

 このため、地域の特産品を原料とした焼酎が全国各地で造られている。
しかし、本格焼酎と名乗るには決まりごとがある。

●分類

●甲類焼酎

 現在は連続式蒸留焼酎という。
連続蒸留機で蒸留したもので、
呼称が「新式焼酎(1910)→焼酎甲類(1949)→連続式蒸溜焼酎(2006)」に変更されてきた。
甲乙の呼称が浸透しているため、連続式蒸留焼酎という呼称がなかなか認知されない。

 原料としては、米、麦、トウモロコシ、糖蜜など使われる。
デンプンを糖に変える製麹工程が必要な穀類などよりも、製麹不要な糖蜜が主に使われている。
蒸溜を繰り返すため無味無臭に近く、酎ハイやサワーなどの割り材に多く使われる。

●乙類焼酎

 現在は単式蒸留焼酎という。
呼称が「旧式焼酎(1910)→焼酎乙類(1949)→単式蒸留焼酎(2006)」に変更されてきた。
連続式蒸留焼酎と同様に、単式蒸留焼酎という呼称もあまり認知されていない。
単式蒸留器での蒸留したもので、原料の風味や香りが残りやすい
甲乙の区分では乙が劣っているようにイメージされることがあるため、
本格焼酎という呼び名が考えらえた。

・本格焼酎

 誤解さることが多いが、本格焼酎イコール単式蒸留焼酎(乙類)ではない
単式蒸留焼酎の中で下記条件を満たしたものが本格焼酎と名乗れる。

  • 穀類(米や麦)または芋類の麹と、水を原料に発酵させたもの
  • 原料は穀類、芋類、酒粕、黒糖を使用
  • または、国税庁長官の指定する物品を使用(49品目)
1あしたば17ごま33のり
2あずき18こんぶ34ピーマン
3あまちゃづる※119サフラン35ひしの実※6
4アロエ20サボテン36ひまわりの種
5ウーロン茶21しいたけ37ふきのとう
6梅の種22しそ38べにばな
7えのきたけ23大根39ホエイパウダー※7
8おたねにんじん※224脱脂粉乳40ほていあおい※8
9かぼちゃ25たまねぎ41またたび
10牛乳26つのまた※442抹茶
11ぎんなん27つるつる※443まてばしいの実※3
12くず粉28とちのきの実44ゆりね
13くまざさ29トマト45よもぎ
14くり30なつめやしの実※546落花生
15グリーンピース31にんじん47緑茶
16こならの実※332ねぎ48れんこん




49わかめ
  • 1薬草の一種
  • 2朝鮮人参のこと
  • 3どんぐりのこと
  • 4いずれも海藻の一種
  • 5中東でポピュラーな「デーツ」のこと
  • 6水草「ヒシ」からとれる実
  • 7牛乳を発酵させたときにとれる「乳清」を粉末状にしたもの
  • 8水草の一種

●あとがき

 焼酎の定義を調べていて、どうしてもわからなかったことがある。
酒税法第三条九号ハで含糖質物が使用不可となっている。
国税庁の法令解釈通達で、含糖質物には糖蜜も含まれるとされている。
しかし、甲類焼酎で主に使われているのは糖蜜である。
調べきれていない特例や解釈があるのかもしれない。
これだから法律は難しい。