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焼酎に使われる原料はさまざまである。
使ってはいけない原料はあるが、それ以外はなんでも使ってよい。
使わなければならない原料の指定がないのが、他のお酒と大きく違う点である。
●そば焼酎
そば焼酎はそばを原料とし、主に宮崎、長野、北海道などで造られている。
焼酎の原料別では麦、芋、米に次いで4番目に生産量が多いのがそばである。
そばの香りと苦味、ソフトな口当たりが特徴。
そば焼酎が誕生したのは、昭和48年(1973)なのでようやく半世紀である。
宮崎県の雲海酒造で、特産品であるそばを使って造られた。
そばの実は皮が硬く、麹菌の繁殖が難しい。
このため米麹や麦麹が使用されることが多いが、
現在ではそば麹の開発が進められ、100%そば焼酎が造られるようになった。
●ルチンによる健康効果
まず結論から言うと、そば焼酎にルチンによる健康効果はない、残念ながら。
理由は、蒸留工程で栄養素はカスとして蒸留されずに残ってしまうからだ。
そば焼酎に使われるダッタン蕎麦には「ルチン」という成分が含まれている。
ルチンは抗酸化物質であるポリフェノールの一種である。
効能としては、傷んだ血管を修復し、血流をスムーズにして血圧を下げる。
この効能によって、よく勘違いされているのは、そば焼酎を飲めば血圧が下がるということ。
これはアルコールを摂取することで、血管が拡張して血圧が下がっているだけである。
あとはプラシーボ効果(思い込み)のようなものもあるのかもしれない。
よく「ルチンは水溶性なのでそば湯に溶け出している」というが、これも間違いである。
そばに含まれるルチンは天然なので不溶性なのだ。
そば焼酎をそば湯で割って飲むのはよいが、ルチンの摂取にはならない。
しかしそば湯には別の栄養素が溶け出しているので、身体に良いことは事実である。
ルチンを摂取したければ、普通にそばを食べれば良いのである。
そば焼酎と一緒に美味しく頂こう。
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●あとがき
そば屋に入って、お酒のメニューを見て、ガッカリすることがある。
美味しいそばをこだわってつくっているのに、大衆的なお酒しかないときだ。
せっかくそばにこだわっているなら、そのこだわり合う飲み物を用意したほうがよい。
中途半端なお酒を置くぐらいなら、こだわりの水をメニューに載せたほうがよい。
食中酒をおろそかにすると、せっかくの食事が台無しになるのはそばに限った話ではない。