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「スコッチ」、「アイラ」と聞いて、思い浮かべるのは「ピート香」であろう。
しかしアイラ島にある蒸留所によって、一概にピートが強いとは言えない。
それぞれの蒸溜所に特徴がある。
●カリラ
・基礎データ、場所
- 蒸溜所名:カリラ蒸溜所
- 英字:Caol Ila (正確には「クル・イーラ」と発音するらしい)
- 意味:ゲール語で「アイラ海峡」の意
- 創業:1846年
- 仕込み水:ナムバン湖
- 蒸留器:ストレート型
- 現所有者:ディアジオ社
- 輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ(株)
アイラ島の北東にある蒸溜所。
ブナハーブン蒸留所と近く、対岸にジュラ島が見える。
アイラ島内の蒸留所中、もっとも生産量が多い。
その多くがブレンデッド用であり、シングルモルトは1割強。
・特徴
・味わい
2002年まではほとんどがブレンデッド用ウイスキーの生産で、
少量が限定的に発売されたが、大半が周辺地域で消費されていた。
2002年に「ヒドゥン・モルト・シリーズ」で12年、18年、カスクストレングスの
3種がリリースされ、それ以降はピート、ライトピート、ノンピートなど、幅を広げている。
味わいスパイシーだと言われることが多いが、商品によって全く違うので一概には言えない。
・スチルハウス(蒸留棟)
見学時に入ることができるスチルハウス(蒸留棟)は、他の蒸留所とまったく異なる。
カリラ蒸留所のスチルハウスは一面がガラス張りになっており、
そこからアイラ海峡を挟んでジュラ島が一望できるのである。
この絶景は観光地としての魅力を備えている。
当然、スチルハウス(蒸留棟)には蒸留器も設置されており、
アイラ島で最大の生産量を誇るカリラ蒸留所の巨大な蒸留器が並ぶ様子も見応えがある。
・ブレンド
カリラ蒸留所で生産される多くがブレンデッド用のウイスキーである。
カリラはジョニーウォーカーのキーモルトとして使われている。
ジョニーウォーカーの販売量(世界一)を考えれば、カリラの生産量も納得できるだろう。
カリラの所有者であるディアジオ社はジョニーウォーカーブランドも所有している。
●あとがき
カリラはオフィシャルボトルよりもボトラーズのほうが、よく見かける感じがする。
始めて見た時は読み方がわからなくて店の人に聞いた記憶がある。
ブレンデッド用ばかり造っていた頃は、どのようなモチベーションだったのだろうか。
ジョニーウォーカーを支えていることは誇りだと思うが、
やはり自分たちが造ったウイスキーを混ぜることなく販売したいと思っていたのではないだろうか。
ウイスキーに限らず、モノづくりは完成品を出したいという気持ちを持つのは当然である。