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ウイスキー蒸留所【スコットランド アイラ島】ブルックラディ

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文字数:約1400文字

 「スコッチ」、「アイラ」と聞いて、思い浮かべるのは「ピート香」であろう。
しかしアイラ島にある蒸留所によって、一概にピートが強いとは言えない。
それぞれの蒸溜所に特徴がある。

●ブルックラディ

・基礎データ、場所

アイラ島地図ブルックラディ蒸留所場所
  • 蒸溜所名:ブルックラディ蒸溜所
  • 英字:Bruichaladdich
  • 意味:ゲール語で「海辺の丘の斜面」の意
  • 創業:1881年
  • 仕込み水:丘の上の貯水池
  • 蒸留器:ストレート型
  • 現所有者:レミーコアントロー社
  • 輸入元:レミー コアントロー ジャパン(株)

 アイラ島の西部にある蒸溜所。
インダール湾の対岸にはボウモア蒸留所が見える。
1994年に生産が停止し、2000年に所有者が変わって、翌年から操業が再開した。

・特徴

・味わい

 伝統的にピートを焚かないため、豊かなモルトの味わいが楽しめる。
ピートを焚かいないのは創業時に石炭が燃料として調達できたため。

 別商品としてピートを焚いたものも造っている。
中程度のピートでは「ポートシャーロット」、ヘビーピートのものは「オクトモア」である。

ブルックラディ蒸留所
https://watcher.ro/2014/10/19/bruichladdich-distillery/

・操業再開

 2000年に所有者が変わり、2001年から生産が再開されたブルックラディ蒸留所。
所有者は共同事業体でという形で、地域の地主やワイン商、ボウモアの元所長が名を連ねる。
統括責任者にはボウモアの元所長であるジム・マッキューワン氏が就いた。

 ワイン商であるマーク・レイニエー氏の提案で「テロワール」という概念が持ち込まれた。
テロワールとは、生産地に対するこだわりを意味し、フランスでのワイン造りに端を発する。
ブルックラディ蒸留所では、大麦をスコットランド産にし、瓶詰め装置を導入し、
生産地にこだわりを持ったウイスキー造りに努めている。

・ブランド

 ブルックラディ蒸留所では、「ブルックラディ」「ポートシャーロット」「オクトモア」
3つのブランドを展開している。

 主な違いはピートの強さ、つまりフェノール値である。
ピートを焚くと、フェノールという物質が出る。
乾燥時に麦芽が吸収したフェノールの量をppmという単位で表している。

ブルックラディ3ブランド
https://www.scotchandscones.com/bruichladdich-distillery/

 「ブルックラディ」は伝統的な、ピートを焚かないノンピート商品である。

 「ポートシャーロット」は、一般的なアイラモルトと同じくらいの20~50ppm程度
ブルックラディ蒸留所から少し離れた場所にポートシャーロットという名前の村がある。
そこにはかつて「ロッホインダール」という蒸留所があった。

 「オクトモア」は、ヘビーピーテッドの商品で、フェノール値80~300ppmである。
フェノール値、世界最強といわれ、普通のピート香には満足できない人には堪らないだろう。
ポートシャーロット村には「オクトモア」という名前の蒸留所もあり、その名が付けられている。

 このようにフェノール値でブランドを変えるスタイルは、スプリングバンクを参考にしたようだ。
スプリングバンク蒸留所は、ヘビーピートの「ロングロウ」、ノンピートの「ヘーゼルバーン」という、
ブランドを展開している。
従来ブランドの伝統を守りつつ、別ブランドの展開で新しい試みを行う、優れたスタイルだ。

●あとがき

 操業が再開されて20年以上が経過した。
やはり長い歴史を持つ蒸留所が閉鎖されるのは悲しい。
これからも復活する蒸留所は出てくるはずなので、ブルックラディ蒸留所の取り組みが参考になる。
ただ再開すれば、生き残れるという訳ではないので、ぜひ他の蒸留所もあとに続いてほしい。

ブルイックラディ
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