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欧米諸国では、ワインを定める法律があり、
様々な基準をクリアすることで一定の品質を国が保証するものが格付けである。
EUでは2009年から3分類で格付けされており、フランスも3分類である。
●AOP 原産地呼称保護
Appellation d’Origine Protégéeの略。
決められた地域で、ブドウの品種、最大収穫量、醸造法、熟成条件など、
厳しい条件をクリアしたものだけがAOPを名乗ることができる。
日本に輸入されているものの大半が、AOPワインである。
●IGP 地理的表示名称保護
Indication Géographique Protégéeの略。
使用するブドウも醸造場所が同じ地域のものであること。
地酒のような扱いで、条件はそれほど厳しくない。
ちょっといいワインというイメージ。
●Vin de Table(ヴァン・ド・ターブル) テーブルワイン
日常的に飲まれているワイン。
ブドウの産地や収穫年が異なるものがブレンドされている。
フランス国内のブドウだけを使ったものはフランス産と表示できる。
ほとんどがフランス国内で消費される(日本には輸入されていない)。
●地方特有の格付け
ボルドーとブルゴーニュでは、さらに詳細な格付けがある。
これらの格付けも国が管理している。
・ボルドー
ボルドー地方では、地域の単位が狭いほど優良品質となっている。
例えば、地域名(ボルドー)>地区名(メドック)>村名(マルゴー)という感じである。
つまり、村名が付いているものは高級品ということになる。
さらに地区ごとでも格付けがあり、特にメドック格付けが有名で、
シャトー(ワインの一貫製造者)を1~5級に格付けし、第1級は5シャトーのみである。
・ブルゴーニュ
ブルゴーニュ地方の格付けは畑単位まで分けるのが特徴である。
村をさらに細かく分け、畑ごとに格付けを行っている。
畑は特級畑(グランクリュ)と一級畑(プルミエクリュ)に分けられる。
地域名>村名>一級畑>特級畑となる。
つまり、特級畑の一つ隣の畑では村名や地域名しか名乗れないことがある。
●あとがき
さすがワイン大国フランスという感じであるが、
このような細かい格付けがワインは難しいというイメージを持たれる一因なのだろう。
畑まで分けてしまうとこれ以上細かくなることはないが、逆行もありえない。
これはもう、覚えるしかないのである。