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世界のワイン生産量と消費量、国別のランキングをまとめた。
国際ブドウ・ワイン機構(OIV:International Organisation of Vine and Wine)が
公表しているデータをもとにした。
生産量は2021年のデータがあるが、消費量はまだ2020年までのデータしかないようだ。
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●世界のワイン生産量と消費量 推移
・生産量
世界のワイン生産量は変動が激しい。
これは原料となるブドウが気候の影響を受けやすいためだろう。
生産量の約5割を占めるヨーロッパは、狭い範囲に生産地が集中しているため、
ひとたび天候不順が起きると周辺一帯の生産量がガタ落ちとなる。
今後、ニューワールドのワイン生産量が増えてくれば、世界全体の安定につながる。
アメリカ大陸、オセアニア、アジアが注目である。
・消費量
1995年からの消費量を見ると増加しているように見えるが、
ここ10年ほどでは落ち着いている。
生産量が増加していないのに対して、消費が急増してしまうと、
需給バランスがくずれる可能性がある。
今後は新興国の消費量に注目したい。
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●国別ランキング
・生産量
生産量はTOP3はイタリア、スペイン、フランスのヨーロッパ地域が不動である。
次点でアメリカが生産量を伸ばしている。
四半世紀前から比べると、ワイン大国といわれるイタリア、フランスは生産量が減少している。
昔よりもワインを造らなくなっているのは、
高齢化と農業以外の職業選択ができるようになったからなのか。
・消費量
アメリカのワイン消費量が年々増加している。
生産量と同様にワイン大国のフランス、イタリアでの消費量が減ってきている。
スペインは消費量が減少傾向にあるのに、生産量が増えている。
ヨーロッパ地域ではワインを飲まなくなっているのかと思いきや、
ドイツは昔と変わらず飲んでいる。
イギリスがワイン消費量第5位であるのは、昔からイギリス人はワインが大好きなのである。
イギリスはブドウ栽培に適していないため、各国からワインを輸入して飲んでいる。
・一人当たりの消費量(15歳以上)
一人当たりの消費量では、ポルトガルが60.8Lで一位。
フランスとイタリアは年々減少して45L前後である。
昔は80L近く消費していたので、完全に飲み過ぎだったのだろう。
飲む以外の娯楽が増えたことや、健康志向が要因と考える。
消費量が増加傾向にあるアメリカや中国は、
一人当たりに換算するとヨーロッパ諸国に比べてまだ少ない。
ドイツは昔と変わらずであり、国民性の表れなのだろうか。
一人当たりの消費量では、まだまだヨーロッパ諸国が健在ということがわかる。
●生産量と消費量
生産量から消費量を引いた数値を見ると、
アメリカは生産量が多いがそれ以上に輸入も多い。
南米(チリやアルゼンチン)からの輸入ワインを日常的に飲んでいると考える。
ドイツは自国のワインを飲んでるのかと思いきや、
意外にも他国のワインも多く飲んでいるようだ。
当然、日本は国内ワインよりも輸入ワインのほうが消費されている。
グラフにはないがイギリスでの消費はほぼ輸入ワインである。
ほとんどを自国で消費している国のワインを日本で見かけたら、
ぜひ味わってみるべきだろう。
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●あとがき
アルコール飲料の選択肢が増える中で、ワインは消費を維持できている。
国によって違いはあるが、ワイン先進国で減った分を、新興国でカバーしているようだ。
心配なのは地球温暖化によるブドウ栽培への影響だ。
ブドウ栽培の北限が徐々に広がっていることが話題になっているので、注目したい。