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日本のワイン用ブドウ品種のランキングと、都道府県別の栽培面積をまとめた。
●ブドウ品種ランキング
農林水産省の特産果樹生産動態等調査データをもとにした。
2019年のデータから、品種ごとの収穫量をまとめた。
国産ワインは赤ワインよりも白ワインのほうが造られていることがわかる。
赤ワイン、白ワインの原料となるそれぞれのブドウを見ていこう。
・黒ブドウ
1位は国産品種であるマスカット・ベリーAで2,232トン。
2位はアメリカ原産のコンコードで1,527トン、
3位は国際品種のメルロで1,305トン、
4位は栽培面積世界一のカベルネ・ソーヴィニヨンで440トン、
5位はコンコードと同じアメリカ原産のキャンベルアーリーで224トン。
国際品種のメルロやカベルネ・ソーヴィニヨンよりも、
国産品種のマスカット・ベリーAが最も収穫されていることは、
やはりその土地の環境にあった品種が選ばれるのだろう。
・白ブドウ
1位は国産品種の甲州で3,489トン。
2位はナイアガラで3,030トン、
3位は国際品種のシャルドネで1,169トン、
4位は生食用でおなじみのデラウェアで480トン、
5位はシャルドネと同じ国際品種のソーヴィニヨン・ブランで348トン。
黒ブドウと同様に白ブドウでも国産品種が日本の環境に選ばれている。
甲州は醸造用とは別に、生食用に1,316トン収穫されている。
デラウェアも生食用に1,610トン収穫されている。
他国では醸造用と生食用で兼用することは珍しく、兼用は日本での栽培の特徴といえる。
●都道府県別栽培面積ランキング
国税庁のデータをもとにして、ワイン用ブドウの栽培面積をまとめた。
ワイン用のブドウをどの都道府県が多く栽培しているのか見てみよう。
山梨、長野、北海道、山形のTOP4だけで全体の75%を占め、
島根と岩手を足すと全体の85%に達する。
島根を除くと比較的北の地域で多く栽培されていることがわかる。
国内で最も南の地域で栽培しているのは宮崎である。
高温多湿で台風が多くても、栽培場所を選んで、
工夫すればワイン用のブドウが栽培できることがわかった。
●あとがき
栽培品種にしても栽培場所にしても、その土地に合わせなければいけないことがわかる。
ワイン用語として生まれたテロワールという言葉には、
その土地や気候、地形も含めて、様々なものが当てはまる。
なかにはその土地の住民の人柄まで含まれるという人もいるから面白い。