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ジンは他のお酒に比べて、日本での定番商品がはっきりしている。
これまで、あまり種類がなかったことが要因だろう。
現在はクラフトジンも増えたが、ジントニックやマティーニなどの
クラシックカクテルには定番のジンが使われる。
味、品質、流通が安定していることが重要である。
バーなどに常備されているジンを見てみよう。
●基本情報
- 商品名:ギルビー ロンドン ドライジン
- 英 字:GILBEY’S LONDON DRY GIN
- 生産地:イングランド(日本輸入品は韓国産)
- 創業年:1857年(ジン参入は1872年)
- 創業者:ウォルターとアルフレッドのギルビー兄弟
- 現所有社:ディアジオ社
- 日本取扱:キリンビール(株)
●ボタニカル
ギルビーのボタニカルは、以下の12種である。
- ジュニパーベリー
- コリアンダー
- アンジェリカルート
- シナモン
- レモン
- レモングラス
- ~12.????
公開されているのは6種だけで、他はギルビー家秘伝のレシピとしている。
アルコール度数37.5%と47.5%の2製品が販売されているが、
度数が違うだけでボタニカルは同じである。
●歴史
創業者はウォルターとアルフレッドのギルビー兄弟で、
1857年にロンドンでW&Aギルビー社を設立した。
当初はワインの輸入業で成功を収める。
1872年にジンの蒸留所を建設し、ジン製造に参入する。
当時は連続式蒸留機の登場によって高品質なジンを、安価に大量生産できるようになっていた。
ジン以外にも、お酒関連の事業を拡大していく。
ウイスキー人気に伴い、1887年にグレン・スペイ蒸留所、1895年にストラスミル蒸留所、
1904年にノッカンドウ蒸留所を買収する。
1908年の英仏博覧会では、W&Aギルビー社の製品がグランプリ賞を含む複数の賞を受賞する。
その後もギルビーのブランドは、世界中に広く知られるようになる。
1997年には、ギネス社とグランドメトロポリタン社の合併により誕生した
ディアジオ社の傘下に加わる。
●あとがき
ギルビーのジンは、ウォッカと並んでコンビニやスーパーなどでよく見かける。
日本で気軽に目にするジンとして、かなり認知度が高い。
日本輸入品は韓国産と表記されているので、韓国のジンと勘違いする人がいるが、
韓国でライセンス製造しているだけで、ギルビーは150年以上の歴史を持つイギリスのジンである。
以前は韓国以外でも、フィリピン産や、日本産があったらしい。
生産国によってイメージを持つのは、気を付けなければならない。