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甘酒の種類

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文字数:約1500文字

 「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価の高い甘酒は、
麹(こうじ)で作るものと、酒粕(さけかす)で作るものがある。
それぞれの違いや特徴を比較してみよう。

甘酒
S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像

麹甘酒と酒粕甘酒の比較

麹甘酒酒粕甘酒
原料酒粕
アルコールなしあり
砂糖なしあり
栄養素ブドウ糖
アミノ酸
ビタミンB1、B2、B6
葉酸
食物繊維
オリゴ糖
など
アミノ酸
ビタミンB1、B2、B6
葉酸
食物繊維
オリゴ糖
など
効能エネルギー補給
腸内環境改善
疲労回復
夏バテ防止
悪玉コレステロール値低下
(血圧上昇抑制)
など
腸内環境改善
疲労回復
夏バテ防止
悪玉コレステロール値低下
血圧上昇抑制
など
自作
保存性

・原料

 原料はそれぞれ、麹と酒粕である。
両方とも日本酒と関わりの深い原料である。

・麹

 麹とは、カビの一種である麹菌のこと
一般的な甘酒には、麹菌を蒸米に繁殖させたものを使う。
こうじは、蒸米に繁殖した状態が米に花が咲いたように見えることから「糀」とも書かれる

 アレンジとしては、発芽玄米や麦に麹を繁殖させたものもある。

 麹菌は、酵素によってデンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する
他にも脂質など様々な物質を分解する。

・酒粕

 酒粕とは、日本酒を造る際に、もろみを搾った後に残る固形物である
もろみとは、米と麹と水を酵母で発酵させたもので、
簡単に言うとどぶろくのようなものである。

・アルコール

 麹甘酒にアルコールは含まれていない

 酒粕甘酒には若干アルコールが含まれている
酒粕自体のアルコール度数が8~11%あるためである。

・砂糖

砂糖
955169によるPixabayからの画像

 麹甘酒に砂糖は含まれていない
麹甘酒の甘味は、麹菌がデンプンを分解してできるブドウ糖の甘味である。

 酒粕甘酒は、一般的に砂糖や蜂蜜などで甘味を加える
日本酒を造る際に、糖分はアルコールに分解されたため、
酒粕にはほとんど糖分が残っていないのである。

・栄養素

 日本酒造りには麹を使うため、副産物の酒粕と麹は栄養素はほとんど一緒である。
上記した通り、酒粕のブドウ糖はアルコールに分解されてしまっている。

 栄養価が高いことから、「飲む点滴」と呼ばれており、
実際には点滴の成分とほとんど変わらない

・効能

 栄養素がほとんど一緒なので、効能もほとんど一緒である。
酒粕にはブドウ糖がないため、エネルギー補給が劣る
代わりの砂糖の成分であるショ糖では、吸収に少し時間がかかる。

 昔から夏バテ防止に飲まれることが多く、栄養を取り入れ、
腸内環境を整えて、健康を維持するのに最適な飲み物なのである。

健康
RENE RAUSCHENBERGERによるPixabayからの画像

・自作

 最も簡単な麹甘酒は、麹とお湯のみで作れるが、温度管理が必要である。
60℃前後で約4時間キープする。
麹が発酵するのに最適な温度と、発酵が進むのに時間がかかる。

 酒粕甘酒は、酒粕と砂糖を水に溶かせば作れる
とてもシンプルで、すぐに飲むことができる。

・保存性

 どちらの甘酒も自作したものは、冷蔵で一週間ほどもつが、
酒粕のほうがアルコールを含むので、長持ちする。
冷蔵していても発酵は緩やかに進むので、密閉容器に入れると破裂する可能性がある。

 一度沸騰させて、麹菌の酵素を失活させると発酵は止まるが、酵素による効能が得られなくなる
市販品は保存性を高めるために火入れされている。

●あとがき

 麹と酒粕での大きな違いは、アルコールと砂糖である。
どちらでも高い健康・美容効果はあるが、市販のものよりも自作したもののほうが効果が高い。
現在は麹も酒粕もスーパーなどで手軽に購入できる。
健康に関心がある人は、一度試してみることをオススメする。


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