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甘酒のつくり方【麹】

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文字数:約1900文字

 「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価の高い甘酒は、
市販品よりも自作したもののほうが効果高い
意外と簡単に作れるので試してみよう。

甘酒
jinho kimによるPixabayからの画像

麹について

 麹とは、麹菌という無害なカビの一種である。
米や麦や大豆に繁殖させたものを、それぞれ米麹、麦麹、豆麹と呼ぶ。

 麹菌は、日本で昔から発酵食品に使われてきた。
味噌や醤油、日本酒などの伝統的な食品を造るのに欠かすことができない

 2006年には日本醸造学会で『国菌』として認定されている。
学名はアスペルギルス・オリゼーで、和名は黄麹菌である。

醤油
ally jによるPixabayからの画像

麹の種類

 甘酒の材料として使う麹には、2種類ある。
生麹と乾燥麹である。

 スーパーやネットで購入でき、値段は生と乾燥で大差ない。
スーパーでは、漬け物のコーナーや、漬け物の素のコーナーに置かれていることが多い。

・生麹

 蒸米に麹菌を繁殖させたものを、そのまま真空パックしたもの。
塊のままパックされていることが多い。

 冷蔵保存で1~2週間持つが、開封後は早めに使い切りたい。

冷凍保存すれば半年は持つ。

・乾燥麹

 乾燥麹は、生麹から水分を飛ばして乾燥させたもの
パラパラの状態のものが多い。

 日持ちがよく、冷蔵保存で1年ほど持つ。

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甘酒のつくり方【麹】

温度計
Emilian Robert VicolによるPixabayからの画像

 ここでは2つ紹介する。
1つは、最も簡単な麹のみのもの。
もう1つは、量を増やせるお粥と麹を使うもの。

 どちらもポイントは温度管理である。
麹が発酵する際に出す酵素が活発に働く温度が重要。
60℃前後をキープすることでうまく作ることができる。

 温度が50℃程度では、酵素が働けず、甘くならない。
逆に70℃以上になると酵素が死んで(失活して)しまう。

 麹は生き物なので、麹そのものや作業環境によって出来が違ってくる。
以下は、参考レシピである。

・麹のみの甘酒のつくり方

 材料は、麹とお湯のみである。
麹のみで作るので、濃厚な甘酒になる。

  • 麹……200g(生でも乾燥でも可)
  • お湯…生麹の場合は200㏄、乾燥麹の場合は400㏄

 つくり方は以下の通りである。

  1. 麹をほぐす
    ダマがあると発酵ムラができるので、パラパラにする。
  2. お湯を加える
    63~66℃くらいのお湯を麹に加えて、よく混ぜる。
  3. 60℃前後を4時間キープ
    よくかき混ぜて60℃になったら、その温度を4時間キープする。
    1時間に1回は温度を確認する。
  4. 完成
    4時間経って、甘味が出ていれば完成
    甘味が薄い場合は、時間を延長して発酵を促す。

・お粥を使う甘酒のつくり方

 材料は、麹とお粥である。
お粥を加えることで、量をかさ増しできるが、
お粥を麹が分解するのに時間がかかる。

  • 麹……200g(生でも乾燥でも可)
  • お粥…600g

 つくり方は以下の通りである。

  1. 麹をほぐす
    ダマがあると発酵ムラができるので、パラパラにする。
  2. お粥を加える
    63~66℃くらいのお粥を麹に加えて、よく混ぜる。
  3. 60℃前後を8~10時間キープ
    よくかき混ぜて60℃になったら、その温度を8~10時間キープする。
    1時間に1回は温度を確認する。
  4. 完成
    味を確認して、甘味が出ていれば完成
    甘味が薄い場合は、時間を延長して発酵を促す。

 どちらも、ヨーグルトメーカーのような温度管理ができるものがあれば楽に作れる。
甘酒メーカーというものも販売されているので、一考してみるのも良い。

 炊飯器の場合、「保温モード」でフタを開けて温度を調節する。
フタを開けると雑菌が侵入してくるので、ぬれ布巾などをかぶせておくと良い。

 保温容器の場合、温度が下がったら鍋で温め直す。
電気を使わず経済的だが、フタを開ける際は注意が必要。
発酵が進んで、内圧が高まっているので、慎重に開ける

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保存方法

 粗熱をとってから、保存する。
冷蔵庫に保存する際は、容器のフタを締めすぎないように注意する。
冷蔵中も発酵は緩やかに進むため、爆発しないように気を付ける

 発酵が進むと甘酒が酸っぱくなる
その場合は、甘酒として飲むではなく、調味料として使うことをオススメする。

 発酵を完全に止めるには加熱処理して、酵素を失活さればよいが、
酵素による健康効果は失われてしまう

 自作の良さは非加熱であることで、酵素を生きたまま取り込めることである。
市販品は流通と保存性を考えて、加熱処理されている。
甘酒の効果を最大限に得たいなら、非加熱をオススメする。

加熱処理
pivisoによるPixabayからの画像

●あとがき

 甘酒作りは温度管理さえしっかりすれば、失敗はない。
一、二回作ってコツをつかめば、簡単に健康飲料が作れる。
酒という名前がついているが、ノンアルコールである。
健康な生活を送るために、日常に甘酒を取り入れのも良いだろう。


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