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テキーラの種類

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 テキーラは、原料の使用比率によって2種類に分けられる。
さらに熟成期間によっても分けられる。

テキーラ
paroca71によるPixabayからの画像

原料比率による分類

 テキーラの原料は竜舌蘭の一種であるアガベ・アスルを使う。
このアガベ・アスルを最低51%使用しなければ「テキーラ」を名乗れない。

 アガベ・アスルを100%使用したものを「100%アガベ・テキーラ」
51%以上使用したものを「テキーラ」とされる。

100%アガベテキーラ

 アガベ・アスルのみで製造することで、混じり気のないピュアなアガベ・アスルの蒸留酒となる。
プレミアムテキーラといわれているもののほとんどは、100%アガベテキーラである。

 100%アガベテキーラは、メキシコの指定産地5州で栽培されたアガベ・アスルを使い、
現地で製造し、瓶詰めまでを行わなければならない

 100%アガベテキーラには、ラベルに「100% de Agave」、「100% puro de Agave」などを
表記することが認められている。

・テキーラ

サトウキビ
Joseph MuciraによるPixabayからの画像

 アガベ・アスルを51%以上使って造られたもの。
混ぜる原料としては、サトウキビの糖廃蜜やトウモロコシなどの糖分がある。
アガベ・アスル以外のアガベを混ぜるのは禁止されている。

 混ぜものということから、「ミクスト・テキーラ」と呼ばれることもある。

 テキーラは、国内外の認定業者が瓶詰めを行うことができる。
樽詰めされた状態で、瓶詰め業者のもとへ送り、瓶詰めする。

熟成期間による分類

 テキーラは、熟成期間によってブランコ、レポサド、アニェホ、
エクストラ・アニェホの4つに分類される。

分類ブランコレポサドアニェホエクストラ・
アニェホ
熟成期間0~2ヵ月未満2ヵ月以上1年以上3年以上
樽容量600L以下600L以下

・ブランコ(シルバーやホワイトとも呼ばれる)

 熟成期間が0~2ヵ月未満のもの。
原料由来の味わいがはっきり残っており、少し青臭い。
アルコールの角が取れていない感がある。

・レポサド

 レポサドは、「休ませた」の意味。
オーク樽で2か月以上熟成させたもの。

 少し黄金色がかり、アルコールの角が取れる。
フレッシュさが落ち着き、飲みやすくなる。

・アニェホ(またはアネホ)

樽熟成
Diana Patricia Sanchez WoolfolkによるPixabayからの画像

 アニェホは、「熟成させた」の意味。
容量600L以下のオーク樽で1年以上熟成させたもの。

 琥珀色で、味わいに丸みを帯びる。
樽由来の、風味が加わり、複雑さが増す。

・エンジェルズシェア

 エンジェルズシェアとは、樽熟成中に気温や湿度の環境変化に伴って、
樽が膨張・収縮することで中の液体が蒸発すること。

 天使の分け前とも呼ばれ、スコットランドのウイスキー熟成では、
年に2~3%ずつ蒸発して樽の中身が減ってしまう。

エンジェル
Erich RöthlisbergerによるPixabayからの画像

 メキシコの環境でのエンジェルズシェアは10%以上である。
スコットランドの2%と比べると5倍になる。
つまり、樽熟成が凄まじいスピードで進むのである。

・エクストラ・アニェホ

 容量600L以下のオーク樽で3年以上熟成させたもの。
暗褐色で、原料由来の香りよりも樽由来の香りが強く感じる。
テキーラ感が薄れ、他の熟成蒸留酒に近い味わいになる。

・ホーベン(オーロやゴールドとも呼ばれる)

 ブランコと熟成させたもの(レポサド、アニェホなど)をブレンドしたもの。
または、ブランコにカラメル色素を添加したもの。
添加物は1%以下まで認められている。

テキーラの基礎知識 ↓

●あとがき

 テキーラの長期熟成は、難しい。
問題は熟成環境であり、メキシコの環境では10年間熟成すると樽が空になってしまう。
熟成年数が長いほど付加価値が付くという、現代の価値観のなかでは、
超長期熟成に挑戦するテキーラが増えてきているのもわからなくない。
しかし、超長期熟成したものにどの程度テキーラらしさが残っているのだろうか。
テキーラは超長期熟成を始めたばかりである。
これからの展開に注目したい。



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