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日本国内のビール消費量が減るなか、海外へ輸出する戦略もある。
日本ビールの輸出量はどの程度なのか、また海外ビールの輸入量はどうなのか。
そして、どの国に輸出し、どの国から輸出しているのか見てみよう。
●ビールの輸出量推移
財務省のデータから、輸出入量のデータをまとめた。
・ビール輸出
輸出は、1994年の地ビールブームから10年ほどは輸出が増えている。
再度、2009年から伸び続け、2017年にピークとなる。
その後、2018、19年と輸出量が減り、2020年にパンデミックが襲う。
2021年はやや回復したが、今後増加するのか、注目したい。
・ビール輸入
輸入は、この20年間横ばいが続いている。
国内のクラフトビールが増えたことで、輸入ビールの強みが薄れているようだ。
販売規制緩和の影響により、1994年に前年の約3倍を輸入しているが、3年で元に戻っている。
●ビールの輸出入国
こちらも財務省のデータから、輸出入量の多いTOP10をまとめた。
国によって関税が違うので、その影響がありそうだ。
・2021年のビール輸出入国
日本のビールは主にアジア、アメリカ、オセアニアなどの環太平洋諸国に多く輸出されている。
なかでも台湾や韓国は良いお得意様である。
輸入は、アメリカのクラフトビールが人気である。
以外にもメキシコからのビールも多い。
韓国からは製造委託されたビールが多く入ってきている。
アイルランドはギネス、ドイツとベルギー、チェコ、イギリスはビール大国である。
・2019年のビール輸出入国
パンデミック前の2019年のデータも見比べてみよう。
輸出は韓国が55%を占めているが、顔ぶれはやはり環太平洋諸国である。
輸入も顔ぶれはほとんど同じである。
・2011年のビール輸出入国
10年前のデータを見てみよう。
輸出はそれほど変わらないが、輸入でアメリカの割合が少ない。
アメリカは他の国に比べて、年によって大きく変動する。
輸入量がもっとも多かった1994年は、アメリカが2/3を占めていた。
日本の需要にバラつきがあるのだろうか。
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●あとがき
ビールは世界各国で造られている。
日本のビール消費が減り続ける中で、海外に活路を見い出すことができるのだろうか。
日本を含めて、各国でクラフトビールが造らるようになっており、
よほどの特徴がない限り、海外からビールを輸入する意義は小さい。
関税や輸送コスト、品質管理などを考えると、海外ブランドの買収や提携が
頻繁に行われるのも理解できる。
世界中がビールの新たなフロンティアを探し求めている。