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2020年の一人当たりのビール消費量と、各国の一人当たりの消費量推移をまとめた。
データはキリンが公開しているものをもとにした。
●一人当たりのビール消費量ランキング2020【世界】
1位はチェコで、ほぼダブルスコアで2位と差をつけている。
1993年から28年間、1位を守り続けている。
1993年にチェコスロバキアが、チェコとスロバキアに分離したが、
チェコスロバキア時代から首位を争っていた。
分かれたスロバキアも9位という高順位をつけている。
TOP10内では7位のナミビアを除くと全てが欧州勢である。
やはりビールとの歴史が長い欧州ではよく飲まれていることがわかる。
アフリカ勢は7位のナミビアを筆頭に、12位ガボン、13位コンゴ共和国と続く。
アメリカは17位で72.8Lだが、もっと飲んでいそうなイメージがある。
オーストラリアも19位でTOP20に滑り込んだ。
日本はビール離れが進んで52位である。
この数値は、ビール・発泡酒・第3のビールの合計である。
他国に比べて、そもそもアルコールに強い人種ではないのである。
●一人当たりのビール消費量推移【世界】
2020年の上位10カ国+日本の20年の推移をまとめた。
世界的なパンデミックの影響で2020年は各国減少するのかと思えばそうではないようだ。
減少する国が多い中で、増加する国もあることがわかる。
28年間1位を守り続けているチェコは2017年に急増している。
これはビールの消費量が急激に増えたわけではなく、チェコが人口集計方法を訂正したのである。
この集計方法を使った2017年以前のデータがないので詳細は不明だが、
おそらく170~180Lくらいで上昇傾向にあったのではと予想する。
グラフを見るとアイルランドの減少が激しい。
2000年は149Lだったのが、減り続けて2020年には82Lと半分近くになっている。
世界中で飲まれているギネスビールも、アイルランド国内のビール離れを食い止められないようだ。
ハイネケンの生産国オランダは惜しくも22位である。
アイルランドほどではないが、ビール大国ドイツでも減少が続いている。
TOP20入りしていないビール大国ベルギーもこの20年で減少傾向である。
これまでビールの消費を支えてきた欧米諸国が減少傾向にある。
その反面、今後はアフリカやアジアの国々がビール消費を支える新時代がやってくる。
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●あとがき
日本では仕事終わりにビールを飲むシーンが定番である。
外でも内でもビールが飲まれているが、世界ではその3倍を飲んでいるのである。
日本は他国に比べてビール税が高い。
その高い税を回避するために、発泡酒や第3のビールが開発されたが、
それらにかかる税金も他国に比べるとまだ高い。
ビール消費量には、各国それぞれの国内情勢も影響する。