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ポルトガルの酒精強化ワインであるポートワインの種類を紹介しよう。
黒ブドウ原料のレッド・ポートと、白ブドウ原料のホワイト・ポートに分けられる。
レッド・ポートはさらに、ルビーとトウニーに分けられる。
また、それぞれがさらに数種類に分類される。
●ルビー・ポート(Ruby Port)
黒ブドウを原料として造られる、赤ワイン。
ポートのなかで、最も生産量が多いタイプ。
- ルビー(Ruby)
複数収穫年のブレンドで、樽で平均熟成年数3年程度のもの。 - クラステッド(Crasted)
複数収穫年のブレンドで、澱引きなしで、3年以上瓶熟成されたもの。
クラストは「澱」の意味で、飲む際にはデカンタが必要。 - レゼルヴァ(Reserva)
複数収穫年のブレンドで、平均熟成年数10年未満のもの。 - LBV(Late Bottled Vintage)
単一収穫年のブドウを使い、4~6年樽熟成してから、瓶詰されたもの。 - ヴィンテージ(Vintage)
単一収穫年のブドウを使い、2~3年樽熟成後、10年以上瓶熟成されたもの。
澱引きしないため、飲む際にはデカンタが必要。 - シングル・キンタ・ヴィンテージ(Single Quinta Vintage)
単一収穫年、単一畑のブドウを使った、ヴィンテージ。
キンタは「畑」の意味。
●トウニー・ポート(Tawny Port)
黒ブドウを原料として造られる、黄褐色のワイン。
トウニーは、「黄褐色」の意味。
熟成中に空気と触れさせることで、酸化が進み、赤から黄褐色に変化する。
熟成年数が長いほど、赤みが抜けて琥珀色に近づく。
- トウニー(Tawny)
複数収穫年のブレンドで、樽で平均熟成年数3年程度のもの。 - レゼルヴァ(Reserva)
複数収穫年のブレンドで、平均熟成年数7年未満のもの。
10年以上熟成されたものには、10年、20年、30年、40年と年数表記される。 - コリェイタ(Colheita)
単一収穫年のブドウを使い、7年以上樽熟成されたもの。
コリェイタは「収穫(ハーヴェスト)」の意味。
●ホワイト・ポート(White Port)
白ブドウを原料として造られる、白ワイン。
辛口が多く、スッキリさを特徴付けるために最低アルコール度数の16.5%が多い。
- レゼルヴァ・ブランコ(Reserva Branco)
複数収穫年のブレンドで、7年以上樽熟成されたもの。
10年以上熟成されたものには、10年、20年、30年、40年と年数表記される。 - コリェイタ・ブランコ(Colheita Branco)
単一収穫年のブドウを使い、7年以上樽熟成されたもの。
コリェイタは「収穫(ハーヴェスト)」の意味。
●その他
上記以外にも、ロゼ・ポートやほとんど見かけないガラフェイラがある。
・ロゼ・ポート(Rose Port)
マセラシオンを軽めに行ったもの。
マセラシオンとは、アルコール発酵をブドウの果皮や種と一緒に行うこと。
赤ワインの造り方であり、白ワインでは果汁しか使わない。
軽めのマセラシオンにすることで、レッド・ポートほどの赤みがなく、
ピンク色のポートが造られる。
・ガラフェイラ(Garrafeira)
ガラフェイラは、単一収穫年のブドウを使い、5年ほど樽熟成した後、
大きな瓶に移し替えて熟成させる。
その後、澱引きして通常の瓶に詰められる。
ガラフェイラは、ガラファ(Garrafa)(「瓶(ボトル)」の意味)からきた言葉。
プライベートストックのようなもので、日本にはあまり出回らない。
●あとがき
ポートワインの種類は、とりあえず、ルビー、トウニー、ホワイトを覚えておけばよいだろう。
ポートワインを置いている飲食店は少なく、種類を取り揃えているお店はさらに少ない。
色々試してみたいなら、ネットで購入するのが手っ取り早い。
酒精強化ワインなので、開封後の消費期間を気にせずに楽しめる。