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ポートワインの原料となるブドウ品種は多数あるが、
主な品種は、黒ブドウでは5品種、白ブドウでは3品種ある。
●ブドウ栽培規定
ポートワインが造られるドウロ地域では、ワイン用のブドウが栽培できる土地は決められており、品種によってその区画で栽培できる割合も決まっている。
最低でも60%は栽培しなければならない品種と、最大40%までしか栽培できない品種である。
ポートの原産地呼称を得るためには、多くの決まりごとを守らなければならない。
白ブドウ品種 最低60% | 白ブドウ品種 最大40% | 黒ブドウ品種 最低60% | 黒ブドウ品種 最大40% |
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エスガナ・カォン | アリント | バスタルド | コルニフェスト |
フォルガサォン | ボアル | ムーリスコ・ティント | ドリゼーニョ |
ゴウヴェイオ | セルシアル | ティンタ・アマレラ | マルヴァジア |
マルヴァジア・フィナ | コデガ | ティンタ・バロッカ | ペリキータ |
ラビガト | マルヴァジア・コラーダ | ティンタ・フランシスカ | ルフェテ |
ヴィオジーニョ | モスカテル・ガレゴ | ティンタ・ロリス | ティンタ・バルカ |
////// | ドリゼーニョ・ブランコ | ティンタ・カォン | ////// |
////// | サマリリョ | トウリガ・フランカ | ////// |
////// | ////// | トウリガ・ナショナル | ////// |
以下で紹介する黒5種、白3種はいずれも最低60%栽培しなければいけない品種である。
●黒ブドウ品種
主な5品種は、以下の通りである。
これらの品種は、ポルトガルで伝統的に栽培されている。
- トウリガ・ナショナル (Touriga Nacional)
- トウリガ・フランカ (Touriga Franca)
- ティンタ・ロリス (Tinta Roriz)
- ティンタ・バロッカ (Tinta Barroca)
- ティント・カォン (Tinto Cão)
・トウリガ・ナショナル
ポルトガルを代表する品種。
皮が厚く、濃い色で、タンニンが豊富。
凝縮感のある味わいになる。
・トウリガ・フランカ
フローラル系の香りが特徴。
害虫や病気に強い品種。
以前は、トウリガ・フランセーザ(フランスという意)と呼ばれていたが、
フランスと関係ないのでフランカと改名した。
・ティンタ・ロリス
色は薄めだが、タンニンが豊富で、スパイシー。
スペインを代表するテンプラニーリョの別名で、イベリア半島で多く栽培されている。
・ティンタ・バロッカ
皮が薄いため、タンニンはそれほど強すぎず、ベリー系の味わい。
成熟が早く、糖度が高いため、長期熟成に向く。
・ティント・カォン
皮が厚く、タンニンが豊富で、フローラル系の香りが特徴。
トウリガ・ナショナルとトウリガ・フランカを合わせたような品種。
成熟がやや遅く、収量が少ないため、希少。
●白ブドウ品種
主な3品種は、以下の通りである。
- マルヴァジア・フィナ (Malvasia Fina)
- ゴウヴェイオ (Gouveio ou Verdelho)
- ヴィオジーニョ (Viosinho)
・マルヴァジア・フィナ
フレッシュで、軽めなのが特徴。
主にポルトガル北部で栽培されている。
成熟は早いが、病気になりやすく、扱いが難しい。
・ゴウヴェイオ
フレッシュで、酸がしっかりしており、シトラスの香り。
ポートワインを造るドウロ地方ではヴェルデーリョと呼ばれていたが、
マデイラ島のヴェルデーリョと混同されるため、ゴウヴェイオと呼ぶようになった。
・ヴィオジーニョ
フレッシュで、華やかな香りを持ち、しっかりした味わい。
熟成は早いが、病気に弱い。
●あとがき
ポートワインは、ブドウ品種も大事だが、酒精強化のタイミングと、
熟成期間によって、特徴が決まる。
ブドウ品種が多いのは、栽培や収穫に適してものを取り入れてきたことがうかがえる。
今は原産地呼称制度によって、決められたなかから選ばなければならなくなった。