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マデイラワインの分類方法はいくつかある。
色、糖度による分類があるが、よく使わるのは製法と熟成法による分け方である。
ここでは製法と熟成法の種類と、糖度の種類を見てみよう。
●マデイラワインの製法と熟成による分類
ブドウ品種、収穫年をブレンドしたものは、年収表示の有無が分かれる。
単一品種、単一収穫年のものは、製法によって分るされる。
- ブレンド
・年数表記無し(3年以上熟成)
・年収表記有り(5年、10年、15年、20年、30年、40年、50年以上熟成) - 単一品種、単一収穫年
・コリェイタ(5年以上、20年未満)
・フラスケイラ(20年以上)
◆ブレンド
ブドウ品種のブレンド、収穫年のブレンドがされたもの。
ブドウ品種名の表記は、85%以上使用している品種を表記することができる。
・年数表記無し
マデイラワインは3年以上熟成させなければならない。
年収表記のないものは3年以上、5年未満のものとなる。
・年収表記有り
年収表記は、5年、10年、15年、20年、30年、40年、50年以上。
以前は、5年をレゼルヴァ、10年をスペシャル・レゼルヴァ、またはオールド・レゼルヴァ、
15年以上をエクストラ・レゼルヴァと表記していた。
このため、オールドボトルにはこのような表記が残っているものもある。
・レインウォーター
特に決まりはないようだが、3年以上熟成された中辛口のものを、
レインウォーターと表記するメーカーがある。
レインウォーターとは雨水の意味で、18世紀にワインに雨水が混ざってしまったものを
出荷してしまったところ、以外にも評判が良かったことに由来する。
アルコールが弱まり、飲みやすくなったのだろうか???
◆単一品種、単一収穫年
加熱熟成をカンテイロ(自然加熱)で2年間行い、その後木樽で熟成させる。
・コリェイタ(Colheita)
木樽で5年以上、20年未満熟成させたもの。
コリェイタは「収穫(ハーヴェスト)」の意味。
・フラスケイラ(Frasqueira)
木樽で20年以上熟成させたもの。
マデイラワインの最高クラスであり、50年、100年を超えるものもある。
希少性が高く、高価。
●糖度による分類
糖度では以下の5つに分類される。
ボーメ度とは、液体に溶け込んでいる固体の比重の単位である。
呼称 | 意味 | 糖度[g/L] | (ボーメ度[度]) |
---|---|---|---|
エクストラ・セコ (Extra Seco) | 極辛口 | ~49 | ~0.5 |
セコ (Seco) | 辛口 | 49~59 | 0.5~1.5 |
メイオ・セコ (Meio Seco) | 中辛口 | 59~78 | 1.5~2.5 |
メイオ・ドセ (Meio Doce) | 中甘口 | 78~100 | 2.5~3.5 |
ドセ (Doce) | 甘口 | 100~ | 3.5~ |
●あとがき
マデイラワインは長期熟成されたものが多い。
酒精強化されているため、保存性が高いのである。
蒸留酒ではアルコール度数が高い分、揮発量が多くなり、100年を超える長期熟成は難しい。
そう意味でもマデイラワインがちょうど良いアルコール度数なのだろう。
100年以上前のものを味わえることに感謝である。