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マデイラワインはDOP(原産地名称保護)によって厳しく管理されている。
主な条件と、マデイラ島について見てみよう。
●DOP(原産地名称保護)
DOPとはDenominação de Origem Protegidaの略である。
ポルトガルではマデイラを含めて約30地域がDOPに指定されている。
DOPは旧格付けのDOCにあたる。
主な条件は6つある。
- ブドウとワインの生産地がマデイラ島であること
- ブドウの品種は認可されたもののみ使用できる
(セルシアル、ヴェルデーリョ、ボアル、マルヴァジア、テランテス、
ティンタ・ネグラ・モレ、、、など) - 酒精強化用の蒸留酒は96%のグレープスピリッツを使うこと
- 加熱熟成はエストゥファ、またはカンテイロで行うこと
- 熟成年数は最低3年以上であること
- アルコール度数は17~22%であること
(例外として、輸出相手国の気候環境が製品保存に適している場合、
15.5%まで下げることが認められている)
マデイラワインを厳しく管理しているのは、マデイラワイン協会(IVBAM)である。
・マデイラワイン協会(IVBAM)
正式にはマデイラワイン・刺繍・手工業協会
(Instituto do Vinho, do Bordado e do Artesanato da Madeira, I.P.)である。
以前はマデイラワインのみを管理するIVM(Instituto do Vinho da Madeira)だったが、
マデイラ島の特産品である刺繍と手工業、最近ではスピリッツ等も含めて管理することになっている、
公的機関である。
IVBAMブドウの栽培から出荷まで、マデイラワインの品質を管理している。
IVBAMの基準をクリアしたものには認証シールが貼られる。
オールドボトルにはIVM時代のシールが貼られている。
●マデイラ島
マデイラ島は大西洋に浮かぶポルトガル領の島である。
ポルトガル本土からは南西に約1000キロあり、実はモロッコからのほうが近い(約700キロ)。
マデイラ島の総面積は732平方キロで、奄美大島と同じくらいである。
ブドウの栽培面積は400ヘクタール(4平方キロ)しかない。
マデイラ島は火山に起因する島であり、急斜面が多いため、ブドウを栽培できる場所が限られる。
平均気温22度の穏やか島で、『常春の島』や『大西洋の真珠』などと呼ばれ、
ヨーロッパからのリゾート地として人気がある。
標高の高い地域では雪が降ることもあるという。
●あとがき
マデイラ島では観光客はマデイラワインを飲むが、地元民は普通のワイン飲むという。
マデイラワインは高級で、普段飲みはできないということらしい。
マデイラワインや生産に従事する人たちを支えているのは、観光客や輸出先の国々ということになる。
我々がマデイラワインを飲むことで、少しでもマデイラ島の発展に貢献できればと思う。