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世界中で飲まれているポートワインの販売量はどのくらいなのか。
ポートワインのの生産国であるポルトガルの公的機関ドウロ・ポートワイン協会
(IVDP:Instituto dos Vinhos do Douro e do Porto)が公開しているデータをもとに、
販売量と輸出量の推移、2021年の輸出先をまとめた。
●ポートワインの販売量
ポートワインの販売量は年々減少している。
ポルトガル国内の消費はほぼ横ばいなのに対して、輸出量の減少が目立つ。
総合計では2020年がパンデミックの影響により最も少ない。
輸出量は2020年よりも2018年のほうが少ないことから、
主要因は国内消費の大幅な減少であると考えられる。
2021年はパンデミック前まで回復しているが、
このまま増加に転じるのか注目したい。
●ポートワインの国別輸出量
ポートワイン最大の輸出先はフランスである。
しかし、年々その量は減っており、この15年で約3割も減少している。
フランスに次ぐのが、イギリス、オランダ、ベルギーである。
三国とも緩やかな減少傾向にある。
以前はオランダが二位、ベルギーが三位だったが、現在は三国が近接している。
ベルギーは2017年以降、微増傾向にあるのかもしれない。
イギリス、オランダ、ベルギーの三国が減少を続ける中、
ポルトガル国内消費が第二位の市場になっている。
ヨーロッパ地域以外ではアメリカがもっともポートワインを輸入しており、
それにカナダが続く。
●ポートワインの輸出先(2021年)
最大の輸出先であるフランスが28%を占める。
次いでイギリス14%、オランダ14%、ベルギー13%。
これらのヨーロッパ各国で約70%を占める。
ポートワインの主な輸出先は約85%を占めるヨーロッパである。
ヨーロッパ地域以外の市場を開拓できれば、ポートワインの販売量はまだ伸びる余地はある。
ちなみに日本は2021年25位である。
以前は上位20カ国に入ることもあり、アジア最大のポートワイン輸入国だったが、
韓国や中国に抜かれてしまった。
●あとがき
大航海時代に世界中に広まったポートワイン。
現在でも多くの国で飲まれているが、全体量は減少傾向にある。
その原因は輸出先主要国のお酒離れだろう。
日本と同様にヨーロッパでも昔ほどお酒を飲まなくなった国は多くある。
飲まなくなった状況を変えることが難しい。
ならばまだ飲んでいない地域を開拓することが必要だろう。