文字数:約1100文字
ポルトガルのマデイラ島だけで造られているマデイラワインは世界中を魅了している。
マデイラワインの生産国であるポルトガルの公的機関マデイラワイン協会(IVBAM)が
公開しているデータをもとに、販売量と輸出量の推移、2021年の輸出先をまとめた。
●マデイラワインの販売量
この10年の販売量は、ポルトガル国内消費も、輸出量も安定している。
2020年はパンデミックの影響で減少しているが、2021年には輸出量が回復している。
しかし国内消費、特にマデイラ島での消費は弱い。
・1976年~
販売量だけだが、1976年からの公開データも見てみよう。
20年周期くらいで販売量が急増した後、10~20%ほど下がっている。
周期だけ見ると近いうちにまた、急増して下がるのかもしれない。
●マデイラワインの国別輸出量
マデイラワインの最大の輸出先はフランスである。
しかし、フランスへの輸出量は減少傾向にあり、この10年で約25%も減少している。
フランスに次ぐのが、ドイツ、イギリス、ベルギーなどのヨーロッパ勢と、
ヨーロッパ地域以外で最大輸出先のアメリカ、アジア最大の輸出先日本である。
生産地であるマデイラ島での消費は、パンデミックの影響で急落し、まだ回復していない。
ポルトガル本土での消費は徐々にではあるが、増加傾向が見られる。
ポルトガル本土、マデイラ島、アゾレス諸島を足したポルトガル全体の国内消費量は、
フランスに次ぐマデイラワインの第二市場である。
●マデイラワインの輸出先(2021年)
最大の輸出先であるフランスが1/3を占めている。
次いでヨーロッパ勢のドイツ11%、イギリス11%が続く。
第4位にヨーロッパ地域以外で最大の輸出先であるアメリカ8%。
第5位にアジア最大の輸出先である日本7%である。
日本では昔から安定してマデイラワインが消費されている。
コアなファンがいるということなのだろうか、、、
輸出先にはポルトガル本土を含めた。
生産地であるマデイラ島から輸出されている見方をするためである。
ポルトガル本土と比べると、パンデミック前のマデイラ島では5倍が消費されている。
しかしマデイラ島での消費の多くは観光客である。
2020年、2021年は観光客が減ったことが、島でのマデイラワイン消費に影響を与えている。
●あとがき
お酒の販売量の減少は、キレイなカーブを描くことが多いが、マデイラワインは違う。
段々に減少する傾向は珍しい。
1979年末のソ連によるアフガニスタン侵攻、2001年のアメリカ同時多発テロ事件。
このような事件の翌年はマデイラワインの販売量が激減している。
やはり世界情勢と関係があるのだろうか。