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イギリスのDrinks Internationalのデータをもとに、
テキーラブランドの販売量ランキングと推移をまとめた。
世界で最も売れているテキーラは何なのか。
そして推移はどうなっているのか、見てみよう。
●テキーラブランドの販売量ランキング【2021】
●テキーラブランドの販売量推移
テキーラブランドの販売量は以下の通りである。
単位は百万ケースで、1ケースは9リットル換算。
・1位 Patrón (パトロン)
日本でも人気のパトロンが3年連続で1位となった。
2位と50万ケースの差をつけて単独のTOPである。
蜂が描かれたラベルは世界中のテキーララバーに知られている。
2018年に世界有数の酒類メーカー、バカルディ社に買収された。
その後、さらに販売量増加の勢いが強まっている。
・2位 Don Julio (ドン・フリオ)
日本ではプレミアムテキーラの代名詞的存在であるドン・フリオが2位。
名門がひしめくテキーラ界で、伝説の男フリオ・ゴンザレスが
革新的な手法でプレミアムテキーラを造り上げた。
2015年に世界屈指の酒類メーカー、ディアジオ社に買収される。
その後、急速に販売量を伸ばし、2021年はTOPのパトロンに急接近している。
・3位 Casamigos (カーサミーゴス)
日本でも見かけるようになってきたカーサミーゴスが3位。
カーサミーゴスはまだ新しいブランドだが、
創設にはアメリカの人気俳優ジョージ・クルーニーが関わっている。
2017年にドンフリオを抱えるディアジオ社に買収された。
そしてデータを提供し始めた2017年から異常な伸び率を見せる。
同じディアジオ社のドンフリオに迫る勢いがある。
・4位 Hornitos (オルニートス)
オルニートスはサウザのプレミアムブランドである。
日本にはオルニートス ブラックラベルのみが発売されている。
サウザが販売量を落としているのに対して、
オルニートスは着実に販売量を増やしている。
2021年はカーサミーゴスの急激な勢いに抜かれてしまったが、
今後の展開に期待したい。
・5位 El Jimador (エル・ヒマドール)
エル・ヒマドールは、世界的酒類メーカーの
ブラウン・フォーマン社が扱うプレミアムテキーラである。
高価格なプレミアムテキーラが多いなか、エル・ヒマドールは手頃感がある。
緩やかだが確実に販売量を伸ばしている。
・6位 Esplon (エスポロン)
カンパリ・グループが2009年に買収したブランド。
日本での販売は2020年からであり、まだ知名度は低い。
これから日本でも目にすることが多くなりそうなブランドである。
・7位 Olmeca Altos (オルメカ・アルトス)
酒類大手メーカーペルノ・リカール社が抱えるブランドがオルメカ・アルトスである。
日本でもよく見かけるようになったブランド。
・8位 Sauza (サウザ)
日本でもメジャーなサウザが意外にも8位である。
2018年から販売量が減少し続けている。
これは2018年にオルニートスを別ブランドとして分離したためである。
ランキング内でプレミアムテキーラでないのはサウザのみである。
サウザを扱うビームサントリー社は、4位でサウザのプレミアムブランドである
オルニートスも扱っている。
2018年、19年はオルニートスを分離した影響、
2020年からはパンデミックの影響を受けている。
プレミアムテキーラはパンデミックでも販売量を伸ばしているが、
非プレミアムテキーラの飲まれるシーンが激減したのだろう。
ビームサントリー社が今後どのような展開を見せるのか注目したい。
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・番外 Jose Cuervo (ホセ・クエルボ)
ホセ・クエルボが一度だけデータ提供したのが2012年である。
この時期はディアジオ社との提携解消のタイミングである。
その後、クエルボはデータ提供をやめてしまったが、
現在でも世界販売量はTOPだといわれている。
ただし、サウザ同様にパンデミックの影響をどのように受けたのか、気になるところである。
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●あとがき
このデータはDrinks Internationalに提供されたもののみであり、
クエルボのように、隠れたブランドがあるかもしれない、、、
無いだろう、というのはそこまで販売されているテキーラなら、
目にする機会があるはずである。
パンデミックにも負けずに成長を続けるテキーラ市場は目が離せない。