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イギリスのDrinks Internationalのデータをもとに、
ラムブランドの販売量ランキングと推移をまとめた。
世界で最も売れているラムは何なのか。
そして推移はどうなっているのか、見てみよう。
●ラムブランドの販売量ランキング【2021】
●ラムブランドの販売量推移
上記した販売量の単位は百万ケースで、1ケースは9リットル換算である。
・1位 Tanduay (タンドゥアイ)
日本ではほとんど見かけないブランドである。
原産国はフィリピンである。
フィリピンのラムと聞いても、あまりピンとこない人も多いだろう。
推移グラフのとおり、Tanduayは以前から大量のラムを生産している。
2017年にバカルディを抜いて、5年連続で首位をキープしている。
フィリピンは蒸留酒大国であり、ラム以外にもジンやブランデーでも
世界最大級の販売量を誇る。
・2位 Bacardi (バカルディ)
世界中でラムといえばバカルディといわれるくらいの定番ブランド。
17~20百万ケースくらいの販売量をキープしている。
拠点をプエルト・リコに置き、一族で経営をするカリブ最大のブランドである。
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・3位 Captain Morgan (キャプテンモルガン)
バカルディとともに日本でも世界でも有名なブランドである。
拠点はアメリカ領であるヴァージニア諸島。
特にスパイストラムが有名だが、日本未入荷のフレーバーラムが世界にはある。
確実に販売量を増やしており、増加傾向にある。
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・4位 Mcdowell’s No.1 Celebration (マクダウェル No.1 セレブレーション)
Mcdowell’sの原産国はインドである。
ウイスキー通の方は聞いたことがあるかもしれない。
ウイスキー販売量世界一がマクダウェルウイスキーである。
ラムでもその存在感は健在だが、2015年以降販売量は減り続けている。
インドのお酒に関する法律の改定以来、安酒のラムは販売量を減らしている。
・5位 Havana Club (ハバナクラブ)
日本での定番ブランドであるキューバンラム。
緩やかだが着実に販売量を伸ばしている。
5百万ケースが目前である。
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・6位 Ypióca (イピオカ)
Ypiócaはカシャーサである。
日本でも見かけることがあるが、ブラジルのサトウキビを原料とする蒸留酒である。
ラムと原料由来が同じため、掲載した。
一昔前まで世界の蒸留酒の中でもカシャーサは、よく飲まれるスピリッツだった。
しかし、カシャーサの販売量が減少傾向にある。
日本でも有名なカシャーサ51は凄まじい販売量だったが、年々減少している。
カシャーサ51と同様にVolho Barreiroもデータ提供をやめてしまった。
カシャーサが今後どのようは展開を見せるのか注目である。
・7位 Ron Barceló (ロン・バルセロ)
ロン・バルセロはドミニカ共和国が原産地である。
日本でもよく見かけるようになり、販売量を徐々に増やしている。
カリブ地域のラムでは、バカルディ、キャプテンモルガン、ハバナクラブに次いで、
4位と健闘している。
・8位 Božkov (ボジュコフ)
生産国はチェコ共和国だが、ラムはカリブ諸島のものをブレンドしている。
様々なフレーバーのラムリキュールも扱っているが、日本ではほぼ見かけない。
・9位 Contessa (コンテッサ)
Contessaはインド産のラムである。
日本ではまず見かけない。
Mcdowell’sと同様に法改正の影響で2015年以降から減少が続く。
・10位 Montilla (モンティリャ)
ブラジル産のラム。
ブラジルにはカシャーサがあるが、それとは別物として造られているラム。
ブラジル国内の人気が高まり、1百万ケースを突破した。
・11位 Appleton Jamaica (アプルトン ジャマイカ)
日本でもよく見かけるジャマイカンラム。
1百万ケース前後を維持しており、一定量の販売を続けている。
●あとがき
ラムは今、転換点に差し掛かっているのかもしれない。
お酒全般が高付加価値化(プレミアム化)にシフトするなかで、
ラムも量より質を目指す企業が増えている。
また、他の蒸留酒とのシェア争いも激しさを増している。
ラムの存在感を高めつつ、プレミアム化を進めることが求められている。