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世界一の経済大国アメリカのラム消費量をまとめた。
DISCUS(Distilled Spirits Council)のデータをもとに、消費量、消費額、
1L当たりの金額、消費量内訳をグラフにした。
アメリカの流行り廃りが日本に影響することが多いので、
今後のトレンドの参考になるかもしれない。
●ラムの消費量
消費量は2010年代に入ってから2,500万ケース付近で高止まりしている。
内訳を見ると、Value品は微減傾向にあるが、Premium類は増加傾向にある。
消費の多くを占めるのは昔から変わらず、Premium品である。
●ラムの消費額
消費額は2010年代に入り、一旦横ばいだったが、ここ数年は増加している。
消費量と同様にやはりValue品は減少傾向にある。
Premium類の中でも、より高価なSuper Premium品やHigh End Premium品の伸びが大きい。
●1L当たりの金額
1L当たりの金額では、Super Premium品が2007年に急上昇している。
それ以降も増加傾向にある。
High End Premium品やPremium品も緩やかに上昇を続けている。
Value品は1L当たり5ドル付近をキープしている。
●消費量内訳
2003年と2021年の消費量の内訳を比べてみよう。
Value品は2003年は26%を占めていたが、2021年には19%まで減っている。
Premium品は1%UP、High End Premium品は3%UP、Super Premium品は3%UPである。
プレミアム感が高いほど上昇率が高くなっている。
消費量ではSuper Premium品は2003年の約10倍に増加している。
Value品はシェアは7%減らしているが、量とは4%程度の減少にとどまっている。
やはり市場が成熟するにつれて、高付加価値品へのシフトが進むようだ。
しかし、Value品が無くなることはなく、安価な製品にも使い道がある。
どのようなものが高付加価値品かというと、
長期熟成、高品質、生産地、オーガニックなどあるが、
アメリカではフレーバードラムやスパイストラムなども人気である。
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●あとがき
アメリカのラム消費は大きな伸びはないが、価格帯に動きがみられる。
高付加価値品へのシフトは、量より質への変化を表している。
経済大国のアメリカの消費がシフトすると、世界市場への影響が予想される。
日本でもラムの輸入量が横ばいであるが、輸入額は増加傾向にある。
今後のラム市場がどのような動向を見せるのか注目したい。