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アメリカの輸出入は世界経済へ影響を与える。
ラム市場に関しても然りである。
DISCUS(Distilled Spirits Council)のデータをもとに、
輸出入量と輸出入額をグラフにまとめた。
アメリカのラムの流れを見てみよう。
量に使われている単位はガロンである。
1ガロンは、約3.785リットルである。
●ラムの輸出流量、輸出入額
量を見ると、輸出のほうが若干多い。
しかし、金額を見ると、輸入のほうが6割以上も多い。
国によって関税が違うので一概には言えないが、
輸入されているラムは高級なものが多いと考えられる。
以下で輸出入の内訳を見てみよう。
ボトルとはボトル詰めされた製品状態のことで、
バルクとは樽やタンクに詰められた状態のことである。
●ラムの輸出先TOP10、輸出量内訳
意外なことに輸出先1位はイタリアであり、しかもほぼバルクである。
実はバカルディ製品のスパイスドやモヒートなどはイタリア産である。
バカルディの本拠地はプエルト・リコだが、アメリカにも工場がある。
2位のカナダはイタリアとは逆にボトルで輸出されている。
ボトルで見ればカナダが5割以上を占めている。
3位はメキシコだが、こちらもボトルよりもバルクのほうが多い。
この上位3カ国で輸出量の約9割を占めている。
日本は9位に入っており、全てがボトルである。
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●ラムの輸出額TOP10、輸出額内訳
輸出量では2位のカナダが金額では1位である。
バルクとボトルの違いで、製品化されたボトル状態のほうが高額になる。
カナダだけで輸出額の半数近くに達する。
2位のイタリアのバルクの多さは断トツである。
バカルディ以外だと、ドルチェに使ったり、
あとはボトラーズメーカーなどが考えられる。
●ラムの輸入量TOP10、輸入量内訳
1位はバルバドスであり、多くをバルク状態での輸入している。
次いで、ドミニカ共和国、ジャマイカと続く。
輸入量は輸出量ほどの大きな偏りがなく、上位3カ国が2ケタのシェアである。
多くがアメリカ大陸とカリブ諸島であるが、フランスが6位に入っている。
マルティニークなどのフランス海外県は含まれておらず、フランス本国となっている。
フランスが海外県から取り寄せたラムを本国で熟成やブレンドをしたものと考えられる。
日本は34位で、ボトルが3,192ガロン、バルクが609ガロンである。
少量とはいえ、日本からバルクを輸入しているとは驚きである。
●ラムの輸入額TOP10、輸入額内訳
輸入量では8位のグアテマラが金額では1位である。
このことからグアテマラのラムは高級品であることが考えられる。
グアテマラといえばロン・サカパが有名である。
輸入量で1位のバルバドスが金額では2位である。
やはりバルクとボトルの金額差が出ている。
一応、日本は31位である。
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●あとがき
DISCUSのデータをもとにまとめたが、
ボトルとバルクでの数値が出ているのが面白い。
どのような状態で国によって輸出入しているのかがわかると、その先を想像してしまう。
各国でラムがどのように消費されているのかを考えるのも一興である。