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食事の時によく飲まれるお酒として日本酒、ビール、ワインがある。
これらは醸造酒という種類に分類される。
それぞれの違いをまとめたので見て紹介しよう。
●比較表
日本酒 | ビール | ワイン | |
---|---|---|---|
主生産国 | 日本 | 世界中 | 世界中 |
発祥時期 | 弥生時代 (2300~1700年前) | 紀元前6500年 (8500年前) | 紀元前8000年頃 (10000年前) |
原 料 | 米、麹、水 | 大麦麦芽、ホップ、水 | ブドウ |
度 数 | 15% | 5% | 12% |
発酵方法 | 並行複発酵 | 単行複発酵 | 単発酵 |
日本 2020年 | === | === | === |
免許場数 | 1,252 | 365 | 447 |
生産量[千kL] | 332 | 1,839 | 102 |
消費量[千kL] | 437 | 1,794 | 359 |
輸入量[千kL] | 0.0 | 40 | 259 |
輸出量[千kL] | 25 | 48 | 0.2 |
輸出先 1位 | アメリカ | 台湾 | 台湾 |
2位 | 中国 | オーストラリア | 香港 |
3位 | 香港 | 韓国 | 中国 |
消費量 2010年 | 632 | 2,764 | 270 |
世界 2020年 | === | === | === |
生産量[千kL] | - | 181,960 | 25,826 |
消費量[千kL] | - | 177,500 | 23,400 |
消費量 2010年 | - | 182,690 | 24,108 |
・主生産国
日本酒はほぼ日本で造られている。
最近では海外で造られる清酒もあるが、まだ量が少ない。
ビール、ワインは世界中の多くの国で造られている。
・発祥時期
発祥時期がもっとも早いのはワインの1万年前である。
ビールは8500年前、日本酒は2000年ほど前である。
ワインはブドウ果汁で自然にアルコール発酵できるが、
大麦や米では自然にアルコール発酵はできない。
発酵方法が複雑になるほど、発祥時期が遅くなる。
・原料
ワインはブドウのみで造られている。
水も必要なく、ブドウを搾って果汁をアルコール発酵させれば出来上がる。
ビールは大麦麦芽、ホップ、水で造られる。
大麦を発芽させて糖化し、ホップを加えてからアルコール発酵する。
日本酒は米、麹、水で造られる。
米を麹によって糖化し、糖化液をアルコール発酵する。
・アルコール度数
各酒、種類によってアルコール度数は色々あるが、
一般的には日本酒は15%、ビールは5%、ワインは12%である。
・発酵方法
日本酒、ビール、ワインはそれぞれ発酵方法が違う。
・数値データ
国内の日本酒、ビール、ワインの生産量は圧倒的にビールが多い。
ビールの強みは、熟成不要、低度数、低価格、常時生産できることである。
ビールは免許場が少なくても大量生産ができるのである。
逆に日本酒は免許場の数がダントツに多いのに生産量は少ない。
生産量と同様に消費量もビールが圧倒的である。
しかし、輸入量ではワインが多い。
最近は海外でも清酒が造られており、若干輸入もされているが微々たる量である。
輸出量は最近日本酒が伸びてきている。
ジャパニーズワインはまだ生産量が少ないことと、海外認知が低い。
ビールは各国で生産されているため、わざわざ日本製を輸入する国は少ない。
どのお酒でも輸出先はアジア圏が多くを占めている。
日本酒はヨーロッパでも人気があるが、まだ量がそれほど多くない。
ビールの輸出先2位がオーストラリアであることが意外である。
国内消費量を10年前の2010年と比較してみると、
日本酒とビールの消費量が3割減り、ワインが3割増えている。
2020年はパンデミックの影響があるが、ワインは家飲み需要が強かったのだろう。
・醸造酒とは
そもそも醸造酒とは何かについて説明しよう。
日本では酒税法によってお酒を3種類に分類している。
- 醸造酒
原料をアルコール発酵させたもの。
例:日本酒、ビール、ワイン、シードル、、、 - 蒸留酒
醸造酒を蒸留したもの。
例:焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、、、 - 混成酒
醸造酒や蒸留酒に副材料を加えたもの。
例:梅酒、リキュール、ヴェルモット、、、
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●あとがき
各酒のデータを並べて比較すると、違いがよくわかる。
ワインやビールが古くから造られていたことを知っている人は多いが、
日本酒とこれほど差があることを知らない人は多い。
いつも飲むお酒でも、このように比べてみると色々な思いが湧いてくるだろう。