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日本で人気急上昇中のジンだが、アメリカではどうなのだろうか。
世界一の経済大国アメリカの消費は、世界中や日本に影響を及ぼす。
経済大国であり、最先端の国であることにより、アメリカの流行は世界中に波及する。
アメリカの動向をチェックして、ジンの消費が今後どのようになるのかを推測する。
DISCUS(Distilled Spirits Council)のデータをもとに、
アメリカのジン消費量をまとめたので、見てみよう。
●アメリカのジン消費量
アメリカのジン消費量はピークアウトしているよう見える。
2007年に11万ケースを超えていたが、直近は10万ケースである。
ピーク時よりも約1割減少している。
しかし、内訳をみると、低価格帯のジンの消費量が減少しているが、
高価格帯のジンの消費量は増加している。
これは高付加価値品へと消費がシフトしていることを表す。
●アメリカのジン消費額
消費額を見てみると、高付加価値品への消費シフトがよくわかる。
2021年のジン消費額10億ドルを超えて、最高の消費額を達成した。
内訳をみると、高価格品になるほど増加率は高くなっている。
最高価格帯のSuper Premium品の伸び率は2.2倍以上となっている。
高価格帯のジンとは、主にクラフトジンのことである。
材料や製法にこだわって、時間をかけて造られたものである。
さらに海外産のクラフトジンも含まれる。
●アメリカのジン1L当たりの金額
高価格帯のジンの消費量、消費額が増加している。
ならばジンの価格が跳ね上がっているのかというと、そうでもないようだ。
1L当たりの価格に換算すると、どの価格帯もほぼ横ばいである。
高価格帯は5年ほど前までは緩やかに上昇していたが、ここ数年は横ばいで推移している。
●アメリカのジン消費量内訳
ジン消費量の内訳を詳しく見てみよう。
Value品は2003年に71%を占めていたが、2021年には52%まで減少している。
Premium品は2003年に11%だったが、2021年には13%と少し増加している。
High End Premium品は2003年に18%だったが、2021年には30%と7割近く増加している。
Super Premium品は2003年に1%未満だったが、2021年には6%まで増加している。
消費量で見ると5万ケースから58万ケースとなり、12倍近い増加である。
やはり、高価格帯のジンが伸びていることがわかる。
●あとがき
アメリカのジン消費量はピークアウトしているが、消費額は最高に達している。
高価格帯への消費シフトが進み、まだ今後も消費額が増えそうだ。
ジャパニーズジンの輸出最大国はアメリカである。
アメリカのジン消費が続くなら、日本のジンがまだまだ切り込むことができそうだ。
そして日本でもジンブームが続くんだろうか、注目したい。