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お酒は太らないと言う話を耳にすることがある。
これは本当なのだろうか。
結論から言うと、お酒は太る。
その理由や、お酒はエンプティカロリーといわれる本当の意味について解説する。
●エンプティカロリーとは
まず、エンプティカロリー(Empty Calories)とは『空っぽの熱量』と直訳される。
エンプティ=空っぽ、カロリー=熱量。
ここで大きな誤解が生じているのである。
空っぽというのは、カロリーがないという意味でなく、
カロリー(熱量)の中に含まれる栄養素がないという意味である(またはごく少量しか栄養素がない)。
カロリーがない場合は、ゼロカロリーやカロリーゼロと表示する。
お酒以外にもエンプティカロリーの食物はある。
一例を紹介しよう。
- 砂糖
- ケーキ
- クッキー
- アイスクリーム
- キャンディー
- マーガリン
- カップ麺
ちなみに自動車などの燃料メータにEとあるのはEmpty(空っぽ)の『E』である。
FはFull(満タン)の『F』である。
●お酒とカロリーの関係
お酒は太らないとよく言われる話を2つ紹介しよう。
先に書いておくが2つとも間違いである。
・お酒だけ飲んでれば太らない?
『お酒を飲むと食欲が増して食べて過ぎてしまう。
だから食べずにお酒だけ飲んでれば太らいない』
こんな話をよく聞く。
残念ながら、これは間違いである。
アルコールには1g当たり7.1kcalが含まれている。
ゼロカロリーではないのである。
カロリーがある以上、太る要因となる。
お酒だけ飲んでいると、カロリーは摂取されるが栄養素は摂れない。
必要な栄養素がなければ代謝が落ちてしまう。
代謝が落ちれば体内で食物の分解や吸収が滞り、脂肪として蓄積される。
・お酒のカロリーは優先的に燃焼されるから太らない?
『アルコールのカロリーは優先的に燃焼されるから太らない』
このような話もある。
優先的に燃焼されるのはその通りだが、間接的に太る要因となる。
アルコールのカロリーが優先させれるのは本当である。
このためアルコールのカロリーが直接的な太る要因とはならない。
しかしアルコールのカロリーを優先するということは、
他の食物のカロリーを後回しにして、割り込むということになる。
お酒には栄養素はないがカロリーはある。
お酒のカロリーの燃焼と分解には栄養素が必要となる。
その栄養素はお酒以外の食物から摂取したものが使われる。
そうなると他の食物のカロリーを消費するための栄養素がなくなってしまう。
そして他の食物の消化吸収が滞り、脂肪として蓄積される。
●お酒で太らないためにできること
結局は飲み過ぎ、食べ過ぎに注意することである。
お酒にはカロリーがあることを知り、栄養素がないことを知り、
自制心を強く持ってお酒と付き合うしかないのである。
お酒を飲むうえでできることは、
お酒をゼロカロリーの水や炭酸水で割ったり、
カロリー消費を助ける栄養素を摂ることくらいである。
ただし、栄養素をどれだけ摂っても、時間当たりに消費できる量には上限がある。
身体に負荷のかかるような過剰摂取は控える必要がある。
やはり飲み過ぎ、食べ過ぎに注意することしかできないのである。
●アルコールに含まれるカロリー
アルコールに含まれるカロリーを見ておこう。
アルコールは1g当たり7.1kcalである。
ちなみに糖質1g当たり約4kcal、脂質1g当たり9kcalである。
以外にも脂質に近い値なのである。
わかりやすく酒類ごとに換算すると、ビール350ml缶で137kcal、
日本酒1合で184kcal、赤ワイン1杯82kcal、ウイスキーシングル70kcalである。
ちなみにごはん一合は約234kcal。
まとめると以下のようになる。
●あとがき
お酒を飲む人の中には、飲むための理由(言い訳?)を必要とする人がいる。
ダイエット中(減量中)に『お酒は太らない』という話を信じてしまうのもわからなくはない。
しかし、そのような都合の良い話はあり得ないのである。
エンプティカロリーをいう言葉はよくわならないが、なぜか救いのように聞こえてしまう。
だが、一歩立ち止まってよく考えなければならない。
エンプティカロリーとは何なのか?、本当の意味は?
正しい情報を得て、お酒を楽しもう。