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クラシック・カクテルの中でも定番がサイドカーである。
ベースを替えたバリエーションも有名であり、おさえておきたいカクテルである。
サイドカーという名前は、ブランデーや味には全く関わりないのだが、
ここでは誕生背景やレシピ、バリエーションを紹介しよう。
●レシピ
材料
- ブランデー・・・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー・・・15ml
- レモンジュース・・・・・・15ml
- シェーカーに全ての材料と氷を入れ、シェークする
- 冷えたカクテル・グラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
- お好みでオレンジ・ピールを振りかけてもよい
●誕生背景
クラシック・カクテルではありがちだが、サイドカーの誕生も諸説ある。
サイドカーに乗っていた将校に関係があるようだ。
バーにやって来る将校は、いつもサイドカーに乗ってやってくるため、
その名が付けられたという。
現在はサイドカーというものを見かけることは少ないが、
当時は戦時中ということもあり、よく利用されていた。
サイドカーに人や物資を乗せて運び、切り離せばバイクの機動性を活かせる。
1922年にイギリスのロンドンにあるバックス・クラブの
パット・マクギャリーが創作したという説。
もう一つは、1931年にフランスのパリにあるハリーズ・ニューヨーク・バーの
ハリー・マッケルホーンが創作したという説。
●バリエーション
サイドカーには、ベースのお酒を替えた有名なカクテルがある。
- ジンベース:ホワイト・レディ
- ラムベース:XYZ
- ウォッカベース:バラライカ
- テキーラベース:マルガリータ
・ホワイト・レディ
材料
- ドライ・ジン・・・・・・・・・・・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー(トリプルセック)・・・15ml
- レモンジュース・・・・・・・・・・・・・・・15ml
- シェーカーに全ての材料と氷を入れ、シェークする
- 冷えたカクテル・グラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
サイドカー考案の有力説とされる、ハリー・マッケルホーンが
ホワイト・レディを考案したと言われている。
1919年にホワイト・レディの原形であるカクテルを考案している。
当時のベースはクレーム・ド・マント(ミント)だったが、
1923年にベースをドライ・ジンに変更している。
マッケルホーンのサイドカー説は1931年なので、
実はホワイト・レディ(1932年)のほうが先なのである。
ジンベースをブランデーベースに替えてサイドカーが生まれたのである。
・XYZ(エックス・ワイ・ズィー)
材料
- ホワイト・ラム・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー・・・15ml
- レモンジュース・・・・・・15ml
- シェーカーに全ての材料と氷を入れ、シェークする
- 冷えたカクテル・グラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
アルファベットの最後の3文字である『XYZ』は「最後のカクテル」を表す。
つまり、「これ以上カクテルはない」という意味である。
とても自信ありげなカクテルが、作者は不明。
『シティー・ハンター』では依頼の合言葉として、XYZが使われる。
これは「もうあとがない」→「助けてくれ」という意味だという。
・バラライカ
材料
- ウォッカ・・・・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー・・・15ml
- レモンジュース・・・・・・15ml
- シェーカーに全ての材料と氷を入れ、シェークする
- 冷えたカクテル・グラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
バラライカとは、ロシアの弦楽器のことである。
弦が3本で、三角錐の形をしてるのが特徴。
作者は不明だが、すっきりとした爽やかな味わいが、バラライカの響きを連想させたのだろう。
・マルガリータ
材料
- テキーラ・・・・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー・・・15ml
- ライムジュース・・・・・・15ml
- シェーカーに全ての材料と氷を入れ、シェークする
- 塩でスノースタイルにしたカクテル・グラスに、ストレーナーで濾しながら注ぐ
マルガリータの誕生に諸説あるが、しっかりと記録に残っているものが以下である。
亡くなった初恋相手を偲んで作ったという説。
マルガリータの作者は、ロサンゼルスのレストラン・バー「Tail O’Cock」のバーテンダー、
ジャン・デュレッサー(John Durlesser)である。
1949年に開催された全米カクテル・コンテストで、マルガリータは3位となる。
マルガリータはジャンの初恋相手の名前である。
マルガリータの故郷はメキシコであり、メキシコ原産のテキーラを使うということで、
初恋相手の名前を付けた。
1926年、ジャンとマルガリータは狩猟に出かける。
そこで他の人の撃った流れ弾がマルガリータに当たり、マルガリータは亡くなってしまう。
この出来事がジャンにとって、マルガリータは忘れることのできない存在となる。
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●あとがき
お酒を飲み来ていた将校が乗っていたのがサイドカーだったことに由来するカクテル。
ブランデーベースの定番カクテルで、ブランデーの香りと、すっきりとした飲みやすさがある。
美味しいお酒を飲んで、帰りもサイドカーに乗り、部下に運転させるなんて、最高だろう。