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●負担率
国税庁が公開しているデータで『酒税等の負担率の推移』というものがある。
数値データのみだったので、グラフ化してみた。
負担率というのは酒税と消費税を足して値で、小売価格の何%が税金かということである。
2020年でビールは50%近く税金ということで、負担率が一番多い。
今後、2026年までに段階的に引き下げられることが決まっている。
しかし、醸造酒にしてはまだまだ高いと感じる。
消費税が2,3%上がっても、それほど影響がないように見えるのは、
酒税改正の影響のほうがはるかに大きいからである。
・酒税が国を支えた時代
酒税が導入された明治4年以降、戦争続きの中で消費税がまだなかった時代は酒税が国を支えた。
当時の負担率は現在では想像できないほどに高かった。
・海外からの圧力
1997年にウイスキーの酒税が下がり、焼酎が上がったのは、欧米諸国からの要請があったからだ。
内国民待遇原則を定めるGATT3条に違反すると指摘されたからである。
ざっくり言うと、焼酎と同じようなウォッカや、焼酎と競合・代替可能な
ウイスキーやブランデーなどで、税率に差があり過ぎると言ううものである。
協議の結果、ウイスキーなどの税率を下げ、焼酎の税率を上げることとなった。
焼酎とそれ以外の蒸留酒の税率が完全に逆転して、
今では焼酎のほうが10%以上高くなり、逆にまた差が生じてしまっている。
差をなくす為に、蒸留酒は一律で良いのではないかと思う。
焼酎が高い税率なのは消費される量が多いからだと考える。
つまり、課税できる量の多い品目から多く税金を取る、ということなのではと考えてしまう。
ビールも消費量が多いから、そうなのでは、、、
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●あとがき
税負担率の高い、低いで飲むお酒を決める人はほとんどいないと思うが、
それはどのくらいの負担率かを知らないからのような気がする。
負担率を知って、少数だが国のために税金の高いビールや焼酎を
積極的に飲む人が出てくるかもしれない。
お酒の美味しさは税金で変わらないが、税金が低ければ美味しいお酒を
もっと安く飲めると思ってしまう。