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シャンパンとオレンジ・ジュースのカクテル【ミモザ】。
その淡い黄色は小さく可憐な花ミモザを連想させる。
ミモザは「最も贅沢なオレンジ・ジュース」ともいわれている。
ミモザのレシピや誕生背景、バリエーション・カクテルを紹介しよう。
●レシピ
材料/レシピ
- シャンパン・・・・・・・80ml
- オレンジ・ジュース・・・40ml
- フルート型シャンパン・グラスに、シャンパンを注ぐ
- オレンジ・ジュースをゆっくりと注ぐ
- 軽くステアする
レシピはとてもシンプルである。
シャンパンとオレンジ・ジュースを混ぜるだけ。
シャンパンを後から注ぐと泡立ってしまい、発泡性が弱まってしまうので注ぐ順番は重要。
シャンパンとオレンジ・ジュースの割合を1:1にしてもよい。
シャンパンの発泡によってオレンジの風味が引き立つ。
オレンジの爽やかな甘酸っぱさが、シャンパンのドライさと合わさり絶妙である。
生搾りのオレンジ果汁を使うと、フレッシュ感があり、香りも良い。
●誕生背景
シャンパンとオレンジ・ジュースの組み合わせはかなり昔からあり、
フランスの上流階級では『シャンパン・ア・オランジュ』として知られていた。
この『シャンパン・ア・オランジュ』をカクテルとして広めたのが、
パリの「ホテル・リッツ」のヘッドバーテンデー、フランク・マイヤーだとされている。
フランク・マイヤーは1925年にホテル・リッツでこのカクテルの提供を始め、
いつからかミモザの花の色に似ていることから『ミモザ』と呼ばれるようになったという。
フランク・マイヤーは現代に残る数々のカクテルを創作している。
時を同じくして、イギリスのロンドンにある「バックス・クラブ」では、
『シャンパン・ア・オランジュ』を氷を入れたタンブラーで提供を始めた。
このカクテルは「バックス・クラブ」のチーフバーテンダー、
パット・マクギャリーが1922年に考案し、『バックス・フィズ』と呼ばれている。
この年にマクギャリーは『サイドカー』も考案したという説がある。
ちなみに【フィズ類】は一般的にソーダを使うが、バックス・フィズはシャンパンが使われる。
ジン・フィズやウイスキー・フィズ、シルバー・フィズなどはソーダが使われる。
フィズ類の中で、バックス・フィズは例外的存在なのである。
●バリエーション
上記したバックス・フィズと、ホワイト・ミモザを紹介しよう。
- バックス・フィズ
- ホワイト・ミモザ
・バックス・フィズ
材料/レシピ
- シャンパン・・・・・・・40ml
- オレンジ・ジュース・・・80ml
- タンブラーに氷を入れ、シャンパンを注ぐ
- オレンジ・ジュースをゆっくりと注ぐ
- 軽くステアする
シャンパングラスではなく、タンブラーに氷を入れて作るカクテル。
シャンパンとオレンジ・ジュースの割合がミモザとは逆になる。
割合を1:1にしてもよい。
ミモザよりもカジュアルに飲めるカクテルである。
氷が入っているので、冷たさが持続する。
・ホワイト・ミモザ
材料/レシピ
- シャンパン・・・・・・・・・・・80ml
- グレープフルーツ・ジュース・・・40ml
- フルート型シャンパン・グラスに、シャンパンを注ぐ
- グレープフルーツ・ジュースをゆっくりと注ぐ
- 軽くステアする
オレンジ・ジュースをグレープフルーツ・ジュースに替えて作るカクテル。
グレープフルーツの甘酸っぱさとほどよい苦味が、シャンパンとよく合う。
グレープフルーツの生搾り果汁を使うと新鮮さが際立つ。
ホワイトと名がついているが、厳密には白色でなく淡黄色である。
●あとがき
ミモザは世界中で人気のカクテルである。
国によってはイタリアだとシャンパンをプロセッコに、
ドイツだとゼクトに替えたりして楽しまれている。
日本でもスパークリング日本酒に替えて提供しているお店がある。
シンプルなレシピだからこそアレンジが簡単で、豊富なバリエーションが生まれる。